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U-22日本代表 3月ヨーロッパ遠征・対戦国発表 大岩剛監督オンライン会見要旨

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大岩剛監督

 日本サッカー協会(JFA)は16日、オンラインで記者会見を行った。3月下旬に行われるU-22日本代表の対戦相手が発表され、会見では大岩剛監督が質疑に答えた。

 2024年パリ五輪を目指すU-22日本代表は、3月24日にドイツ・フランクフルトでU-22ドイツ代表と、27日にはスペイン・ムルシアでU-22ベルギー代表と対戦する。

大岩剛監督
「欧州遠征でドイツ代表、ベルギー代表と戦うことが決まった。勝利を目指してしっかりと準備をした形で試合に臨みたい」

─この年代の遠征はヨーロッパが続く。狙いがあるのか。
「世界のどこでもアウェーに行く前提でマッチメイクをリクエストしている。今年6月にU-21の欧州選手権があるということが非常に大きい。日本代表をリスペクトしてくれる国がヨーロッパではたくさんある。準備の段階である程度のレベルを要求していて、いろんな理由がある中で、今回もドイツとベルギーというヨーロッパの中でも非常に強い国とやれることになった。そんなチャンスはなく、ぜひやらせてほしいということで決めさせていただいた。南米、アフリカ勢もリクエストは出している。チームの立ち上げ、進捗状況も理由としてあるが、今後もマッチメイクは続いているので、6月やその先もまた違った形でリクエストが通ればいい。特にヨーロッパだけということはリクエストしていない。今回も非常に手強いというか強国になった。ぜひ力試しをしたい」

─前回の遠征も対戦国とは異なる国で開催された。第三国でやる理由は?
「相手側のトレーニングをしている場所にわれわれが向かうという形。今回も(ベルギーとは)スペインでやる。今回は中2日で非常にタイトな中でやる。そういうスケジュールのところも把握をした上で、ぜひということでマッチメイクをしてもらった」

─キャンプを精力的に回られていた。収穫はあったか。
「移籍をした選手が何人かいた。J2からJ1、J1でもチームが変わった選手もいる。各クラブへのあいさつもだが、ステージが変わった中でどういうプレーをしているのかを見ていた。いい収穫もあった。J2でも監督に期待されているんだなという選手が何人かいた。そういう選手はいままで呼んではいないが、把握した上で招集したいと感じた」

─今年から五輪の出場権を懸けた戦いが始まるが、A代表と活動が重なったときの考えは?
「JFAでしっかりと各年代の監督さんとコミュニケーションを取っていて、基本的には上のカテゴリーの招集にしっかりと選手を送り出す共通の認識を持っている。ただ、お互いの大会の規模であったり、重要性であったり、そういうものはしっかりとコミュニケーションを取った上でその都度判断していく。そういう話はしっかり取れているので、あくまでも上の代表でしっかりと活動してもらう。選手ファーストで考えれば、絶対にそういう形のほうがいいという共通認識がある。その都度ミュニケーションを取るという形になる」

─A代表のコーチ陣が変わり、名波浩氏も加わった。コミュニケーションを取ったか。
「皆さんが期待するほどのコミュニケーションの量はあるかどうかはわからないが、雑談レベルの話はするし、ちょっとした情報交換はできる間柄。そういうところは今後もやっていければ。選手の行き来は、人数も回数も今後増えていけばと思うが、名波だけじゃなくて斉藤(俊秀)コーチであったり、そういう存在と話す回数が多くなれば、われわれの選手が上に行くということでもある。そういう機会が増えればいいかなと感じている」

─MF藤田譲瑠チマ(横浜FM)の強みはどう感じているか。
「彼は中盤のポジションで、ボックストゥボックスの選手。活動量、ボールスキル、そういうところで高いところにある。マリノスのテンポのスタイルというものは、日本代表でも期待をしている。キャプテンを任せる回数も多かった。ピッチの中でのプレーによるチームを引っ張っていく形、ピッチ以外でもJ1で優勝したという経験も含めて、チームを引っ張ってほしい。そういう存在であることは間違いない」

─あすJ1が開幕。遠征までもリーグ戦がある。
「選手としての総合的なところはレベルアップしてほしい。Jリーグでもそういうところを求められている。(藤田も)目線はもっと上を見ているだろうし、いち選手としてスピード、強度、個人戦術のところも、もともとレベルが高い場所でやれる選手だと思っている。選手として、人間として、大きくなってくれれば。その一歩に明日もなってくれればいいと思っている。そういうところを注意深く見守っていきたい」

─新しい一年に向け、考えの変化はあったか。
「昨年一年間のわれわれの総括として、非常にチームとして成長を感じられた一年だった。ドバイカップで初めて活動したが、それから始まって最後のポルトガル戦。それまでの活動が限られた中で、戦術的な部分やチームの目的をしっかりと共有して高いレベルでできた。W杯も間に見ることもできた。日本代表のあり方、われわれのチームのスタイル、そういうものをしっかり分析した上で、引き続きわれわれのやり方でしっかりと前進していくということを再確認した。その中で細かいところで言えば、フィールドの中での攻守における原則のアップグレードや基準をもっと上げるところを、選手の成長に伴って行っていく。より質の高いものを求めていく。そして、ステージが変わる選手たちがいるので、国内外の選手たちをコンディションも含めてしっかりと把握する。その中で、戦術的なアップグレードをしていこうという話はしている。W杯があり、国民の皆さんを巻き込んで非常に大きな議論になったこともあった。われわれの世代の日本代表に注目していただけるような、より大きい積み上げができるような準備をしようと話をしている」

─パリ五輪世代の海外組はリアルタイムでチェックしているのか。
「可能であればリアルタイムでチェックをしている。ほかのスタッフが個人のコミュニケーションを取っていて、そういうものはしっかりと把握するように努めている。あとは各クラブのコーチ陣と、ヨーロッパオフィスに協会の人間がいる。そういう人がコンタクトを取って、選手の状態を把握するという作業はするようにしている。試合に出ている選手は、ほぼほぼオンタイムでゲームを見ているし、可能な限り状況を把握するようには努めている」

─3月はU20アジアカップがある。参考になる部分はあるか。
「本当に参考になると思う。可能であればウズベキスタンに行って、しっかりといろんなものを把握をしていきたい」

─どういうところに注目しているか。
「昨年のU23アジアカップもウズベキスタンでやった。ピッチ内外でアクシデントやいろんなことが起こり得る。フレキシブルに次の試合の準備をすることであったり、いろんなものにしっかりと対応するということはわれわれも経験した。今回のU-20のアジア予選も非常にタフな中でやる試合だと思う。試合への準備、そして連戦へのサイクルに対しての対応は把握をしたい」

─U20アジア杯はインターナショナルマッチウィークではなく、欧州組は招集が難しい。U-22の遠征で呼ぶか。
「可能ではあるが、この大会の勝ち上がりや結果によってそれは変わってくる。コミュニケーションは取っているので、その都度招集できるできないを認識した上で、いろんな選手を呼べるような把握をしたい」

─U-20の世代もパリ五輪につながる候補として考えたいか。
「選手の共有はよくやれている。上だけではなくてU-20の選手やU-18の選手もキャンプに行ったり、高校選手権も、ユースの大会もそう。そういう選手はしっかりと招集はしている」

─選ばれなかった選手の発奮に期待しているか。
「キャンプで一年目の選手が何人もいて、ギラギラしている選手もいた。下の世代からキャンプ参加という選手もいた。そういう選手が今年のシーズンが始まって、どう伸びていくか楽しみでもある。しっかりと把握をした上で情報共有していきたい」

─J2リーグで奮闘する選手もいる。
「抽象的だが、見ていますよということを伝えたい。われわれが足を向けることで、見られているなと思わせたい。旬な選手という言葉を使うが、そういう選手を絶対に見逃さないような情報を持っていたいと思っている」

─相手国はどのようなリスペクトを持ってマッチメイクを受けたのか。
「細かくはわからないが、昨年ヨーロッパ勢と4試合をやった中で、前線から積極的に守備をしたり、しっかりと後ろからビルドアップをしていくことであったり、どの対戦相手にも前向きに試合に臨んでいた。そういったところを評価してくれたのかもしれない。評価してくれていればいい。勝負にこだわって守備を固めてとか、そういうのではなくて、われわれのスタイルというものをしっかりと出そうという姿勢が評価されているのであればうれしいこと。強国なのでやられてしまうこともある。それをより質を上げる、レベルを上げることで、ドイツにもベルギーにも本当に勝ちたいと思って臨む。前回の4試合も勝利を目指して臨んでいる。そういう姿勢が評価されていればいいと感じている」

─ヨーロッパでの遠征でパリ世代がさらに関心を持たれるかもしれない。
「心配ではない。むしろそれに乗ってもっともっと増えてほしい。それが日本のフル代表への道になればいい。われわれのグループの質が上がれば、よりいいのではないかと感じている」

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