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U-20日本代表の照準は“世界切符”から“アジア制覇”へ…きょうアジア杯準決勝、強敵イラク戦のポイントは

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練習に励むU-20日本代表

 3月12日、AFC U20アジアカップ準々決勝で快勝を収め、U-20日本代表は世界大会出場権を手にした。ただ、「そこを目標でやっている選手はいない。アジアで1位になるために、ここへ来ている」(MF松木玖生=FC東京)。15日に行われる準決勝・U-20イラク代表戦へ向けて、チームの士気は落ちていない。

 14日にはタシケント郊外のグラウンドでトレーニングも実施。「本当に今日も良い練習ができた」(松木)と23人全員で汗を流した。

 冨樫剛一監督は「この日程で4試合をこなして、まだ自分の手元に23人全員が試合に問題なく出られるコンディションで残っているのは素晴らしいこと」と強調する。「それは本当にメディカル、フィジカルのスタッフのおかげだし、選手たち一人ひとりが集中して練習し、しっかりケアをしてくれているから。自分は彼らの仕事に本当に助けられている」と語る。

 その上で、イラク戦については「しっかり相手を分析した上で、勝つためにやる」と強調。「これまでも全試合で先発を入れ替えながら戦っているし、そこは変わらない。『俺を出せ』って選手もいるからね」と、フレッシュな選手も織り交ぜながらのオーダーになることを示唆した。

 対峙するイラクについては「分析をすればするほど良いチームだなと感じている」と語り、「自分たちと少し似た部分がある」とも指摘する。「テクニックのある選手もいるし、ボールの動かし方も良いものがある。守備に関しても日本とやりたいことが少し似ているなと感じるところがあった」と評し、より警戒を深めて臨む構えだ。

 一方、松木は「(イラクは)すごく良いチームだなと思いました。縦の速さがあるし、組織的なサッカーをしてくる。ヨルダンと少し似たスタイル」と印象を語りつつ、「意外と空いてくるスペースがあるんですよ」と、戦術的な狙いどころもすでに定まっている様子だった。

 そして松木が試合のポイントに挙げたのは「試合の立ち上がり」。ゲームに入るところで「そこへチームとしての気持ちをどう持っていけるか」をあらためて課題として挙げつつ、「でも絶対勝ちますよ」とも強調した。

 準決勝と決勝はアジアチャンピオンになるための戦いとなるが、それだけではない。世界大会は5月開幕。準備の期間がほとんどないことを思えば、そこへ向けた戦いはもう始まっていると言えるからだ。

 冨樫監督はここからの戦いの意義をこういう言葉でも表現した。

「大会が終わって日本に帰ったら、次にこのチームが集合するのはW杯の何日か前ということになる。ここであと2試合を戦う意味は物凄く大きい。決勝はナショナルスタジアムでの決戦になるわけだし、その経験はチームにとっても選手にとっても掛け替えのないものになる。ここからの2試合は彼らの未来にとって、もしかするとヨルダン戦以上に大切になるかもしれない」

 イラクとの準決勝は日本時間15日19時から、タシケントのJARスタジアムにて開催される。

(取材・文 川端暁彦)
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