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新たな競争へ鎌田大地「イチから自分の価値を高めないと」移籍報道にも言及

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日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)

 次の3年3か月をしっかりと見据えつつ、日本代表のトレーニングウェアに身を包んだ。22日の練習後、報道陣の取材に応じたMF鎌田大地(フランクフルト)は「新しいチームに変わるのでイチから自分の価値を高めないとダメ。それと次のW杯にこの間の選手が継続して参加できる世代だと思うので新しい競争がある。そういうのに負けないようにやっていきたい」と意気込みを示した。

 カタールW杯決勝トーナメント1回戦でクロアチア戦に敗れた後、鎌田はW杯の戦いを振り返りながら次のように語った。

「クラブでの活躍が代表につながるという根本的な部分は変わらない。でも代表に対する思いは間違いなく増えた。この4年間は本当に自分が代表を引っ張っていけるような存在になりたいと思っている。この4年間は間違いなく自分にとってワールドカップという意味では最後のチャンス。代表のためにもやりたいと思っています」

 カタールW杯までの間は「クラブが最優先」という思いをたびたび口にし、代表でのレギュラー争いにも「クラブで良い結果をここ数シーズン残しているし、代表で試合に出るのにふさわしい結果を残してきていると思う。それでどうなったとしても、そこまで僕自身が落ち込むことはない」と語っていた鎌田。それでもW杯での戦いを経て、考え方が変わったことを明かしていた。

 年間スケジュールに占める割合で言えば、所属クラブで過ごす時間のほうが圧倒的に多い。だからこそ鎌田は、所属クラブでのパフォーマンスはこれまでどおり追求しつつも、その道筋に代表活動を上乗せしようとしているようだ。「基本的なスタンスは変わらない。クラブで活躍することがより代表に還元できるものだと思うし、クラブのことはすごく大事にしている。ただ、気持ち的な面で代表のために、次のW杯に向けてよりいいレベルでプレーしたいと思うし、していかないとダメだと思う」と位置付けを語った。

 クラブでのパフォーマンスを維持し、高めていく上で、気になるのは来季以降の去就だ。鎌田に関してはカタールW杯以降、同じドイツの名門ドルトムントを筆頭にさまざまな移籍先の報道が現地メディアから伝えられてきた。もしクラブを移すとなれば、代表への影響は良くも悪くも生じてくるであろう。

 鎌田はこの日、移籍に関する現在の思いにも言及。「僕自身は今のところ本当に何も決めていなくて、シーズンが終わるまでフランクフルトのために戦うと今シーズンが始まる前から決めていて、監督ともよく移籍報道があった中で、シーズンが始まる前に話して、まずはサッカー選手として、一人の人として、彼とは今シーズンいっぱいまではフランクフルトのために全てを捧げると言ったし、それは今でも変わらない」と述べ、今季はフランクフルトでのプレーに集中していく構えを見せた。

「周りではいろんな報道が出て、地元だったら『フランクフルトに集中していない』とか言われていますけど、僕自身はそんなこと全くない。フランクフルトのために今シーズンは全てを注ぎたいと思っている。あまり周りのことは気にしていなくて、自分たちがいい場所にいれば自分が望むチームに行けると思うし、僕自身はまだ移籍に関しては何も決めていなくて、フランクフルトのためにと。移籍が決まったとしても今シーズンいっぱいはその気持ちは変わらない。一人の人として監督とはそう約束したので、そういうふうにやって行けたらいいなと思います」

(取材・文 竹内達也)

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