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東京五輪組“最後の1人”がA代表入り! 追加招集DF町田浩樹「序列を変えていきたい」

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DF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)

 22人目の選手が待望の初招集を掴み取り、これで東京五輪メンバー全員がA代表に上り詰めた。“最後の1人”はDF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)。北中米W杯でのメンバー入りに向けて「次の3年半は東京五輪世代が中心になってやっていかないといけないと思っている。自分はA代表初招集だけど、周りには長い間やっている選手が多い。爪痕を残していかないといけない」と決意を語った。

 1997年生まれの町田は今回のキリンチャレンジカップでA代表初選出。カタールW杯明けでDF吉田麻也(シャルケ)らベテラン陣の招集が見送られた上、DF冨安健洋(アーセナル)の負傷を受け、追加招集でなんとか滑り込んだ形だ。

 もっとも、アクシデントによってしかなかなかチャンスが舞い込まないのも代表チームの宿命。町田は「次のW杯を考えた時、麻也くんは年齢的にも上になるし、トミも怪我で苦しんでいるので十分にチャンスがあると思う。そこに割って入っていかないといけない」とこのチャンスを活かしていくつもりだ。

 持ち味は190cmの上背を活かした空中戦と対人守備。また左利きという大きなストロングポイントも持つ。「自分の特徴でもある空中戦、対人の強さはもちろんだけど、左利きのCBというところ。今回は角田(涼太朗)選手が(怪我で)来られなかったけど、左利きのCBの重要性は森保さんの中でも高いと感じている。ビルドアップでも違いを見せたい」。五輪世代からスカウティングを続けてきた森保一監督の期待も寄せられている。

 2021年夏の東京五輪時点で22人中7人を占めていたA代表未経験者は、大会後にどんどん数を減らしていった。同年8月にGK谷晃生が呼ばれたのを皮切りに、同年11月にMF旗手怜央とMF三笘薫、同年12月にDF瀬古歩夢、昨年3月にFW林大地、昨年7月にGK鈴木彩艶と招集。気づけば残るは町田のみとなっていた。

「もちろん常に意識はしていたけど、自分のパフォーマンス次第なところがあったので」。そうして掴んだ初招集、町田が目指すのは2026年の北中米W杯までに現在の立場を逆転させることだ。「今回は追加招集で選ばれたけど、僕自身は年代別代表はずっと入ってきたけど、全てのカテゴリでスタメンというのがあまりなかった。なんとかこの3年半でしっかり爪痕を残して、そういう序列を変えていきたい」と意気込みを語った。

 昨年1月に鹿島からサンジロワーズへ期限付き移籍し、初の海外挑戦中。順調に出場機会を積み重ねた時期もあったが、今季開幕からの約半年間はグロインペインで実戦を離れる苦しみも味わい、精神面でも大きくなった。

「怪我の時期は本当に辛かったし、海外での怪我だったのでうまくいかないことがあった。チームから手術を勧められたこともあったけど、日本で治療を進めていくことにして、半年間くらいいろんな人にサポートをしてもらっていた。こういう代表の舞台で、しっかり結果で恩返しできれば」。支えてくれた人々の思いも背負ってピッチに立つ。

(取材・文 竹内達也)

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