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U-20W杯メンバー入りを懸けて…千葉寛汰がU-20代表候補キャンプでアピール2発「自分にとってすごく大事な1か月」

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FW千葉寛汰(徳島)がヘディングで先制ゴール

 出場を願い続けていたU-20ワールドカップに向け、最後のチャンスを掴めるか。U-20日本代表候補のトレーニングキャンプが3日、4日の2日間で行われ、4日には関東大学選抜と練習試合を実施。2ゴールを挙げたFW千葉寛汰(徳島)は「めっちゃ行きたいですよ。ずっと考えていた大会なので」と力を込めた。

 U-20日本代表候補は3月のU20アジアカップでU-20W杯出場権を獲得した。5月に開催される本大会に向け、選手選考は進む。今回のU-20日本代表候補キャンプは、U20アジア杯で出場時間が短かった選手や未招集の選手といった“当落選上”のメンバーが集った。

 その中でもFW表記のメンバーはたった一人、千葉のみ。冨樫剛一監督はFWの役割を「FWが点を取るチームであってほしい」と要求する。そして、世代屈指の点取り屋はそれに応えてみせた。

 前半24分、中盤のMF笠柳翼(長崎)が右サイドにパスを出し、MF松村晃助(法政大)がクロスを上げる。ゴール前ですばやく反応したのは千葉。「あそこしかないなというところに上げてくれた。自分はしっかりポジショニングを取って待っていたら、非常にいいボールが来ました」。千葉がヘディングシュートで合わせ、ゴールネットを揺らした。

 U-20日本代表候補は前半37分、千葉がGK春名竜聖(水戸)のロングフィードに反応する。相手選手の決定機阻止を受け、PA手前でFKを得た。MF保田堅心(大分)がワンタッチで始めると、千葉が渾身の右足シュート。「ちょんちょんと動かしてリズムを崩してから、どこに打つかというのは最後まで見て決めようと思っていた。コースにしっかり決められました」。狙いすました低い弾道がゴールに突き刺さった。

 今回の招集メンバーは14人ということもあり、交代選手が少ないチームの疲労は徐々に溜まった。後半26分、そして後半アディショナルタイムに失点を喫して2-2のドロー。「相手が全員変わってフレッシュだったというのもある。運動量は落ちましたし、テンポとか流れが悪かった。体が動かなかったのもある」と振り返る。

 個人のプレーには及第点をつけた。「前半に関しては満足しています。後半はああいう劣勢の状況で、自分が違いを出せればよかった。そこを求められるし、そこができないとメンバーには絡んでいけない。そこはまだまだ」。本大会メンバーに入るため、さらなる成長を口にした。

 昨年9月のU20アジア杯予選では9ゴールの活躍を見せた。ただ、このときは怪我人の不参加による追加招集での活躍だった。年代別代表の夢舞台であるU-20W杯に懸ける思いは強い。今年3月のU20アジア杯には招集されなかったが、「普通に応援していました。W杯出場を決めてもらって自分はおいしいところをもらっていこうかなと(笑)」とおどけつつ、「……という風には捉えていました」と自分の気持ちを少し俯瞰して語る。

 5月の本大会まで、アピールの時間は少ない。今回のトレーニングキャンプも「たった2日ですけど、自分にとっては本当に重要な2日間でした」と手応えを語る。今後につなげるためにも、今季レンタルで加入した徳島での活躍は必須だ。

「ここで結果を出しても、チームでダメだったら呼ばれない。きょう結果を出せたのはポジティブですし、次につながりました。だけど、チームでしっかり定位置を掴めるように、結果を出せるようにがんばりたいです」

 しかし、その徳島も不調にあえぐ。新指揮官のもとで開幕7試合3敗4分と最下位に沈む。千葉は4試合出場もすべて途中出場だった。チーム状況が悪い中でも、千葉は「そんなのは関係ない」と強調する。「残り1か月くらいで何点取れるかで、メンバーに入れるか決まると思っている。自分にとってすごく大事な1か月だと思う」。まずは徳島でスタメンを勝ち取る。そして“点が取れるFW”としての存在感を見せつけていく。

(取材・文 石川祐介)
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