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「得点王を獲るのは自分なので」。U-17日本代表、FW名和田我空(神村学園高)が逆襲の2ゴール!!

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前半40分、U-17日本代表FW名和田我空(神村学園高)が右足シュートを決め、今大会初ゴール

[6.23 AFC U17アジアカップGS第3節 U-17日本 8-4 U-17インド]

 まさかの出遅れだった。FW名和田我空(神村学園高)は先発出場したAFC U17アジアカップ第1戦終了後、腹痛を発して練習からも離脱。第2戦は欠場となってしまった。

「体調管理も含めて勝負だと思っている。でも今回、海外遠征には何度も来ている中で初めてお腹を壊してしまった。自分の未熟さを思い知らされた」(名和田)

 第2戦終了後から練習へ復帰し、意欲十分の調整を経てこの第3戦へ。「自分がチームに一番貢献できるのはゴールだと思っている」という男は、とにかくゴールを欲していた。

 1-0で迎えた前半40分、そんな気持ちが結実する。自らボールを奪うと、MF川村楽人(東京Vユース)とパスを交わしてそのまま前進。「思い切って」放ったシュートはイメージと異なる弾道ながら相手GKをかすめてゴールネットを揺らした。

「本当はサイドネットへ突き刺さるようなシュートをイメージしていたんですけど、でも迷わず振り抜けたことがああいうゴールに繋がったと思う」(名和田)

 ゴールへの執着心と思い切りの良さで奪ったのが1点目なら、2点目は技巧と冷静さが光る一撃だった。44分、FW高岡伶颯(日章学園高)のアシストを受けてペナルティーエリア内からシュート。相手DFの股間を抜く技巧的なプレーで3-0とリードを広げるゴールを奪い取った。

「ボールが結構体の向きとズレていたので、相手DFが足を伸ばすだろうなというのは頭に入っていたので、股の間を狙いました」(名和田)

 クールに奪った3点目でミッションコンプリート。グループステージ突破後も見据え、ハーフタイムでベンチに下がることとなった。

 復帰して45分を戦ってフィジカル面を上げていくこともできたが、最も大きいのはメンタル面だろう。2点を奪ったことは気分的に「まるで違う」(名和田)のは攻撃の選手として当然のこと。次戦へ向けて気持ちも高まっている。

「ここが一番の勝負。自分の力を発揮して、『ゴール前の仕事は俺に任せろ』という感じでみんなにパスを要求して、自分が勝負を決めたいと思っています」

 グループステージには悔いも残した。それだけに、ノックアウトステージの主役は譲らない。

「得点王は自分が獲るんで」

 そう言って笑った“主役候補”は、世界切符獲得とアジア制覇へ。早くも気持ちを昂ぶらせている。

(取材・文 川端暁彦)
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