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浦和初Vに導いたDF清家貴子、なでしこJでも攻撃的ポジションに意欲「自分の中で感触がよかった」

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DF清家貴子

 三菱重工浦和レッズレディースのWEリーグ初制覇に大きく貢献した日本女子代表(なでしこジャパン)のDF清家貴子が30日、千葉市内でのトレーニング後に報道陣の取材に応じ、自身初の出場となる女子ワールドカップへの意気込みを語った。

 2019年の前回フランス大会ではトレーニングパートナーとして、なでしこジャパンの国内合宿に帯同していた清家。その後、同年10月に正式なメンバーとして初招集を果たすことにもなったが、一足先にW杯に向けた準備が進むチームの雰囲気を体験していた。

 清家はこの日、4年前を振り返りながら「なでしこジャパンに初めて選出されて、W杯という大会の重みも何も分からずにただただ合宿に参加していたけど、その時とは違って、この大会で結果を残す、日本の強さを世界にもう一度見せつけたいという思いがある」と現在の心境を語った。

 今季は浦和LでWEリーグ全20試合に出場し、12ゴールを記録。近年サイドバックでの出場が続いていたが、中盤のポジションで「この1年、シュート練習はかなりやってきた」という努力が報われる結果を出した。3-4-2-1のシステムを採用するなでしこジャパンでは、これまで右ウイングバックを主戦場としてきたが、そこでも新たなイメージも芽生えてきたという。

 清家は「前回の合宿まではウイングバック、特に右でプレーしたら自分の良さが一番出るんじゃないかと思い、そこでのプレーをずっとイメージしてやってきたけど、後期のWEリーグを戦って前線の内側でプレーする時間が長かったので、そこの感触が自分の中でよかった。インサイドもやってみたい気持ちはある」と2シャドーでの出場にも自信を示した。

 男子サッカーと同様に5人交代制が導入されている一方、選手登録枠は23人にとどまっている女子W杯。チームが躍進を果たすためには、清家のようなマルチロールの活躍は欠かせない。まず大きな期待がかかるのはWEリーグでも発揮していた得点力だ。

 国内舞台でも世界基準を意識しながら「ゴール前での個というか、やっぱり最後は目の前の相手を上回らないと勝てないし、点は取れない。そこは味方頼みじゃなくて自分がどうにかしてやるという気持ちを持ちながらやってきた」という清家。自身のスピードを生かすべく、世界舞台でも「もちろん長い距離、50m、60mではもっと速い選手はいると思うけど、一瞬の抜け出しであったり、相手のディフェンスラインの裏への動き方で外してシュートまで持っていく速さは自分の強みなので負けないようにしたい」と意気込む。

 なでしこジャパンにはDF熊谷紗希(バイエルン→ローマ)、DF南萌華(ローマ)といった欧州トップクラスの舞台でプレーするディフェンス陣が並んでおり、「紗希さんだったり萌華だったり、世界で戦っているディフェンスは普段足が出てこないところで出てきたり、予測がすごく良かったりする。そういった選手を上回っていくために自分も頭を使わないといけないし、技術を上げていきたい」と刺激を受けながらトレーニングに励んでいる。

 また守備的なポジションで起用されれば、サイドバックで培ってきた対人でも成長を見せたいところだ。「寄せや予測の部分はよくなってきているけど、予測して寄せるだけではこのレベルだとボールを取れない。そこからもう一歩、足を出して自分のところでボールを奪うところは国内合宿で上げていかないといけない」。本大会まで約3週間、最後まで進化を遂げながら夢舞台に臨む。

(取材・文 竹内達也)
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