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女子W杯まで残りわずか…ローマで研鑽積んだ南萌華、向上した対峙能力とリスク管理

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DF南萌華

 この一年間を海外で戦ったDF南萌華(ローマ)は、その力を日本女子代表(なでしこジャパン)に還元するつもりだ。シーズン終了後は国内トレーニングキャンプが始まる一週間前から欧州組で調整に入った。「みんなで集まって雰囲気も良く、トレーニングもできている。身体的にもコンディションも上がってきている」と手応えを語った。

 2022年夏、浦和レッズレディースからローマに加入した。海外初年度でもカップ戦とリーグ戦の2冠を達成。リーグの年間ベストイレブンにも名を連ね、実力を知らしめた。海外の選手たちと対峙した経験は大きいという。

「単純にスピードだったり、日本人にはないイレギュラーな動きというか、ボールタッチをイタリア人は持っている。なかなか対峙したことのない選手とマッチアップできたということで幅が広がった。日本人以外の選手とマッチアップをたくさんできたというところでは、すごいプラスだった」

 特にリスク管理の部分で、大きな成長を挙げる。ローマでは攻撃を好む選手が多く、各自が前線に上がってしまうという。「そこでうまく、後ろでリスク管理のところを意識していた。そこはなでしこでもすごく重要になってくる」。攻め始めたときに隙ができる後ろのリスク管理。女子ワールドカップの舞台でも、その役を引き受けるつもりだ。

 なでしこジャパンは14日にMS&ADカップでパナマ女子代表と対戦。女子W杯直前の練習試合となり、最後の調整になる。「チームとして持っているものをすべてぶつける形で私たちは挑む。いいチャレンジをして、それが失敗でも本当にW杯にはつながる。積極的なプレーをして、W杯につながる試合ができればいい」。2011年大会以来となるW杯制覇を本気で目指す選手たちは、そのコンディションを加速度的に上げていく。

(取材・文 石川祐介)
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