チーム発足から一年半が経ち、守備陣も手応えを掴み始めている。U-22日本代表のDF鈴木海音(磐田)はU23アジアカップ予選の初戦を控え、「全員がいい準備をして発揮すれば勝てる自信はある。積み上げてきたものを出せればやれる」と力を込めた。

　いよいよパリオリンピックを目指す戦いが始まる。U-22日本代表は来年4月にカタールで行われるU23アジア杯に出場するべく、バーレーンでU23アジア杯予選に臨む。11組のグループリーグに分かれ、日本はグループD。各組首位か各組2位の成績上位4チームに入れば、カタール行きを決められる。同大会で上位3チームに入ればパリ五輪出場が決定する(4位だとアフリカとのプレーオフに回る)。

　大岩監督体制は22年3月のドバイカップから同年6月のU23アジア杯を戦った後、4度の欧州遠征で強豪国と対戦。今年6月に行われた4度目の遠征ではU-22イングランド代表に2-0で完封勝利を収めるなど着実に力を付けている。鈴木も「一人ひとりの球際の部分でまず負けなくなったことが一番」と成長を語る。

　また、チームの決まりごとが浸透したことも大きい。「あいだに縦パスを入れられないというところは、前線と中盤の選手がすごく意識してくれている」(鈴木)。縦への通り道を防げば、相手はサイドに逃げるが、「外に追い込んだときのサイドのプレッシャーの強度もすごく高くなってきている」という。ライン際でのプレスで相手のミスを誘発し、ボール奪取の回数も増加するパターンができあがり、守備陣の自信も深まっていた。

　また、鈴木は守備だけではない。後方から攻撃のスイッチを入れる役割もある。「インターセプトからパスをさせるのは自分の武器。そこから攻撃参加というのも自分の良さ」。あくまで「裏をやられないところが一番」と守備を徹底しつつ「そこを気をつけてボールを奪ったら、どんどん攻撃参加していきたい」と意欲をのぞかせた。

　鈴木はチーム発足当初のオリジナルメンバーでもある。「最初に選ばれたときは自分がここにいて自信というものがなかった」。だが、昨シーズンは栃木でもJ2リーグ34試合出場と主力として活躍。成長とともに自信も深めた。「最近はこのチームで中心としてやっていかなきゃいけないと思ってきました」と胸を張る。「ここでももっとできることがある。まだまだ成長することだらけと思いますけど、この短期間で3試合あるので、まずそこで結果を残すことが一番と思います」とアジアでの戦いに目を向けた。

(取材・文　石川祐介)

---

●AFC U23アジアカップ2024予選特集ページ