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リバプール遠藤航、電撃移籍後初の森保J合流に笑顔「ここ数週間かなりバタバタしていたので…」

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日本代表MF遠藤航(リバプール)

 今夏の移籍期間でイングランドの名門リバプールに電撃移籍を果たした日本代表MF遠藤航が7日、ドイツ・ボルフスブルクでの合宿地で報道陣の取材に応じた。「ここに帰ってこられて嬉しいし、ここ数週間はかなりバタバタしていたので、ここが自分の中では落ち着きどころ。日本人の選手たちとも久しぶりに会ったし、いろんなチームの状況、個人の状況を日本語で話しながら生活ができるのは幸せなこと」と笑顔で現在の心境を口にした。

 8月18日に4年間を過ごしたシュツットガルトを離れ、リバプールへの電撃加入が発表された遠藤。すでにプレミアリーグで開幕からの3試合に出場し、新天地での挑戦をスタートさせているなか、ドイツ・トルコというヨーロッパの強豪との国際親善試合に臨む森保ジャパンに帰ってきた。

 ブンデスリーガで残留争いを繰り広げていた中堅クラブから、世界最高峰のプレミアリーグで上位争いを狙うメガクラブへの電撃移籍。遠藤を取り巻く環境には大きな変化があったが、当の本人はいたって冷静だ。「自分に求められるものはそんなに変わってない。守備での良さだったりというのが監督から求められている一番のところ」と静かに語った。

 むしろ、そうした環境の変化を前向きに受け止めている様子だ。

「周りの選手のクオリティーが高いので、普段の練習からインテンシティが高いし、普段置かれる環境というものが変わっているわけなので、すごく成長できるチャンスだなというところ。30(歳)にしてリバプールに行けて、新たに成長できるチャンスがあるのはすごく幸せなことだと思うし、個人的には求めていた舞台に来られて嬉しいなという感じ」(遠藤)

 リバプールは昨季以降、MFエンソ・フェルナンデス、MFモイセス・カイセドの獲得にトライしていたが、いずれもチェルシーとの入札競争に敗北。またMFジョーダン・ヘンダーソン、MFファビーニョといった近年の隆盛を支えていた選手の流出もあり、遠藤に向けられている期待は大きく、その期待は重圧にも変わりうる。

 それでも遠藤は「もちろんカイセドとかと比べられるというのはわかっているけど、別にそこはあまり気にしていない」と断言。「自分はリバプールに求められている選手だという自覚を持ってプレーすることが大事だと思うし、監督から期待されているのも実際に会って話してみてすごく感じる。あとはピッチ上で自分の良さを表現するところだけだと思うし、とにかく期待に応えられるようにというところ」と現在の心持ちを語った。

 そんな遠藤にとって、9日の国際親善試合ドイツ戦は移籍後初めての代表戦。今夏まで4年間過ごしたドイツでの試合とあり、現地でも遠藤のパフォーマンスに大きな注目が集まっている。

 だが、そうした視線にも遠藤は「この2週間で自分が急激に成長するわけではないので、やることはそんなに変わらない」とサラリ。「期待されているのはわかっているけど、あくまでも自分はしっかりとドイツ戦でも自分らしさを出せるように頑張れれば良いなと思う」と静かに意気込みを述べた。

 その一方、チームとしてのパフォーマンスにはこだわっていく構えだ。ドイツはW杯後の国際Aマッチ5試合で1勝1分3敗と大苦戦しており、来年夏に自国開催の欧州選手権(EURO2024)も控えている中、W杯で敗れた日本に再び敗れることは許されない崖っぷちの状況。国際親善試合とはいえ、高いモチベーションで臨んでくることが予想される。

「そういうふうな気持ちで来てくれたほうがいい。自分たちの親善試合というところを意味のあるものにするためにも、W杯と同じような気持ちで戦わないと勝利に持っていくのは難しいと思うので」

 本気のドイツとの対決を喜ぶ遠藤は「自分たちもかなり良いチームになってきている自覚はあるし、個人個人がすごく高いパフォーマンスでヨーロッパの舞台で戦っているというところは自信を持って良いと思う。またここでもう一回、しっかりとドイツを倒せれば自分たちの力を証明できると思うし、チームも自信を持って次に向かっていけると思うので大事な一戦になる」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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