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堂安の元同僚とマッチアップ…ドイツ戦で“守備固め”務めたDF橋岡大樹「律くんの言葉に救われた」

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日本代表DF橋岡大樹(シントトロイデン)

 限られたプレータイムで役割を全うした。日本代表DF橋岡大樹(シントトロイデン)は9日の国際親善試合ドイツ戦で、後半39分から右ウイングバックで途中出場。逃げ切り態勢に入った難しい時間帯での投入となったが、無失点に抑え込み、手応えの残る代表復帰戦となった。

 橋岡は第2次森保ジャパンが発足した今年3月シリーズで久々の代表招集を勝ち取ったが、6月シリーズは招集外。この欧州遠征での再招集に「本当にこれが最後くらいの気持ちで臨みたいという思いがあるし、何が何でも結果を残さないといけない」と並ならぬ覚悟で挑んでいた。

 すると初戦のドイツ戦、そんな橋岡に出番が訪れた。場面は2-1で迎えた後半39分、ドイツがボールを保持する時間帯が続いていた中、守備固めの役割を期待されての投入だった。

 守備的なポジションの選手にとって、途中出場はただでさえ難しいもの。また普段プレーしている選手とマッチアップするならまだしも、慣れない相手との対峙を強いられるため、重圧は自然に襲いかかってくる。

「正直あの雰囲気で入るのはものすごく難しいし、失点してしまったら後から入った選手のせいだと思われる可能性もあったので、自分の中ではすごくドキドキだった」

 ただ、いまの立場が立場だけにチャンスを逃すわけにはいかない。「そんなことを言っている暇はないので、やるしかないなと思って、自分の前の選手にやられないという気持ちでやった」とピッチに立った。

 対面に入ったのは先発したFWセルジュ・ニャブリに代わって出場していたFWケビン・シャーデ(ブレントフォード)。昨季までフライブルク所属だったウインガーだが、橋岡はちょうどMF堂安律(フライブルク)と同じタイミングでの投入だったこともあり、情報は堂安を通じてしっかりと頭に入っていたという。

「ニャブリに代わって速い選手(ケビン・シャーデ)が来て、律くんから入る前に『アイツ速いからな』って聞いていた。それで足下じゃなくパッと裏を狙ってくるんじゃないかなという意識があったので、律くんの言葉に救われた部分もある」。ファーストプレーでは振り切られそうになったが、その後は粘り強い対応で失点につながりそうなチャンスすら作らせなかった。

 ドイツ戦から一夜明けた10日、橋岡は自身のパフォーマンスについて「失点させないために入れられたと思うので、自分のタスクは果たせたと思う」と手応え。「それまでドイツが後ろで回して回して崩そうとしていたけど、最後はロングボールをバンバン入れていたので、そこでセカンドボールを拾ってというやり方をやっていたけど、それにもしっかりみんな対応できていたのかなと思う」とチーム全体の守備を総括しつつ、ドイツと対峙できた経験を前向きに受け止めた。

 今夏にはブンデスリーガのクラブからのオファー報道もあり、ドイツでプレーすることを目標とする橋岡。「あそこでプレーしたい気持ちはあるので、どんな選手がいるかなと思って見ているし、昨日の相手にはバイエルン、レバークーゼン、ライプツィヒといったブンデスの中での強豪の選手がいた。そこで試合に出るには自分の中でもまた一つ見せないといけないところ」。そのためにはこの先も、代表やクラブでアピールするのみ。「いつチャンスが巡ってきてもいいように常に準備しているつもり。自分の強みやいいプレーを見せないと今後につながっていかない。コツコツ自分のできることを見せていって、信頼を掴んでいければと思う」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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