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U-17日本代表は14日にベネズエラと対戦。唯一のアジア優勝メンバー、GK上林大誠(山形ユース)は個人の結果よりも「チームが勝つために」

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国際ユースin新潟に出場するU-17日本代表で唯一のU17アジアカップ優勝メンバー、GK上林大誠(山形ユース)はチームの勝利にこだわる

 U-17日本代表は13日、「国際ユースサッカーin新潟」開幕戦のU-17ベネズエラ代表戦へ向けて、新潟市内で前日練習を行った。CBを起点にサイド、中央の選手が連動した攻撃やセットプレー、DFラインのスライドの確認など約100分間のトレーニング。気温30度超えの暑さによる負担も考慮しながら、準備が行われた。

 初戦で対戦するベネズエラはU-17ワールドカップ出場国の一つ。今大会の指揮を執る廣山望監督は、南米予選を勝ち抜き、世界切符を獲得した強豪について「球際強いし、カウンターも来る」と分析する。

 今回のU-17日本代表は、3日から12日まで行われたフランス遠征メンバーとは異なる18人で構成。11月のU-17ワールドカップ(インドネシア)メンバーに食い込むことを目指している選手たちだ。U17アジアカップ優勝メンバーから唯一選ばれているGK上林大誠(山形ユース)は有力な候補の一人だが、本人は個人の結果、アピールよりも、今回の国際ユースin新潟で優勝することを最優先に掲げている。

「個人の結果はもちろん大事になってくると思うんですけれど、まずボクはチームだと思うので、チームが勝つために、自分が何できるかとか、チームが勝つために自分のストロングがどう出せるかになってくると思う」とコメント。上林ももちろんU-17ワールドカップ出場を本気で目指しているが、チームで結果を出せなければ、それが遠のくことも理解している。

「色々な選考を考えると、どうしても自分のプレー、自分のプレーとなりがちになると思うんですけれども、ボクはまずチームが勝つために。この大会、優勝しないといけない。それが最低基準だと思うので、ボクは自分がどうプレーするのか考えて、チームが勝利できればそれが一番良いと思う。明日の一戦はチーム全員で、相手がどうとか、メンバーがどうとか関係なく、日本を代表としてやる上で絶対に勝ちにいきたい」

 唯一のU17アジアカップメンバーとして、廣山監督からはリーダーシップを持って行動することを求められている。合宿初日は、U-17ワールドカップメンバー入りへギラギラ感を持ってきた選手がいた一方、年上の世代の代表チームに上手く入れない選手も。上林は一人ひとりの意識が高く、全員でタイトルを掴んだU-17アジアカップ優勝チームの雰囲気やメンタリティーを伝えていかなければならないと考えている。

「試合の中での雰囲気やピッチ外の雰囲気は、自分が行動や姿勢が示していかないといけない。優勝メンバーにいたという立場を考えて、自分にはチームを引っ張っていくという責任があると思うので、自分の立場を理解してチームを良い方向に持っていけるようにしたい」と力を込めた。

 U17アジアカップのGKチームからは、GK後藤亘(FC東京U-18)とGK荒木琉偉(G大阪ユース)がフランス遠征を経験。2人は今夏の日本クラブユース選手権(U-18)大会で決勝へ進出しており、上林は結果が彼らとの差の一つになったと自己分析している。彼らや今回の競争相手であるGKピサノアレクサンドレ幸冬堀尾(名古屋U18)に自身が勝っている部分もある一方、サイズやシュートストップは彼らの特長。特にシュートを止めることについては、U17アジアカップ後に求めてきた。今回、新潟でチームが勝つためにも、磨いてきた力を発揮しなければならない。

「世界で通用するためにまずシュートを止めないといけないですし、自分は正直、荒木選手と後藤選手に比べればサイズもシュートストップの能力も劣っていると思っているので、そこは2人に食い込んでいくためにも、もっともっと突き詰めてやらないといけないと思っています」。山形トップチーム昇格やアジア制覇を成し遂げてきたが、日頃の意識高い取り組みが自身の今を作り出しているという考え。「自分の日頃の意識、行いの先に代表とか嬉しいことがあると思っているので、まずは自分がやるべきことを全力でやるだけです」。今回も日頃と同じ様に、全力でやるべきことをやるだけ。そして、チームの勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
●U-17ワールドカップ2023特集ページ
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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