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200cmの大器、木吹翔太(広島ユース)がCBでU-17代表復帰。世界への意欲見せるDFは課題を改善し、「もっと活躍したい」

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U-17日本代表CB木吹翔太(広島ユース)が200cmの高さを活かしたヘッド

[9.14 国際ユースin新潟第1節 U-17日本代表 2-3 U-17ベネズエラ代表 新潟市陸上競技場]

 200cm、87kgのサイズと技術力も備えた大器が、CBとして代表チームに戻ってきた。U-17日本代表CB木吹翔太(広島ユース)は、後半開始からピッチへ。U-17ワールドカップ出場国・ベネズエラのスピード、強度をCB3人ができるだけ多くの時間体感するため、木吹には後半の45分間が与えられた。

「(ベネズエラは)スカウティングのところでも球際強いとか、個人の選手のところで勝てる選手が多いと聞いていて、前半ベンチから見ても(日本の選手が)負けたりしているのを見て、後半から入った時に負けずに自分たちのボールにして繋げようというところは意識していました」

 前半に比べると相手の強度が落ちていたことは確かだが、木吹はサイズを活かした守りで健闘し、落ち着いたビルドアップも見せていた。「(本当は)90分戦ってやれるところ、やれないところをはっきりさせたかった」と悔しがるが、切り替えて、チームのために戦うことを意識してプレー。パスを相手に引っ掛けてしまい、自ら止め返すようなシーンや、セットプレーで思うような力を発揮できなかった部分もあった。そして、後半に2失点して敗れたが、木吹にとって課題と手応えも感じる時間になったようだ。

「ベンチで見ているよりかはやれるなというのがあって、広島の時も球際のところは言われていて、通用した部分はあったので自信になったところはありますけれども、負けたり、行けていないところもあったので、そこをもう少し改善できたら良い」

 現U-17日本代表が2年前に始動した時点では、ボランチや攻撃的なポジションでプレー。その圧倒的なサイズ感に加え、得点力などを備えたMFは中心選手として期待された。だが、その後、壁にぶつかる時期も。JFAアカデミー福島WESTU-15から進んだ広島ユースでなかなか出番を得られず、今年はU17アジアカップメンバーからも漏れた。だが、広島ユースのコーチングスタッフと適正ポジションについての相談を続け、この6月からCBに挑戦。そこで新たな可能性を示している。

 広島ユースの野田知監督は、「(木吹は)前向きにプレーするのは得意なので、ちょっと後ろに置いてみて。ボールに触れてパスもできるので、まだやり慣れて部分がありますけれども、やり込んでいけば行けるんじゃないかなと思っています」と語っていた。木吹も「最初は難しかったんですけれども、楽しさや自分の武器を出せるところがたくさんあった」とCBでの自身の可能性を感じている。

 広島ユースの一員として出場した8月のBalcom BMW CUPでU-17ウズベキスタン代表相手に好プレーを見せるなど可能性を示し、今回、代表チーム復帰を果たした。新ポジションでの経験が浅く、CBとしてのセオリーを学んでいる最中だが、U-17日本代表のCBはU-17ワールドカップへ向けてまだ層の薄いポジションの一つ。木吹は広島ユースやU-17日本代表のチームメートからも刺激を受け、本気で活躍を目指している。

「周りに比べてもっとやんなきゃいけないなとこっち来て感じたり、フランス(遠征、9月)に同じチームから2人(MF中島洋太朗、FW井上愛簾)行っていたりして悔しい部分があるので、もっと活躍したいです。前のBalcomの時に鈴木(樟、鵬学園高)君とか良いプレーをしてフランスに呼ばれていると思うので、この大会でワールドカップに食い込んでいけるようなプレーをしていきたいと思っています」。他の選手にはない特別な武器の持ち主。世界相手に戦う仲間のように「本気でそうなりたい」という木吹が、アピールを続けて世界への切符を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●U-17ワールドカップ2023特集ページ
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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