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[北京への道(3)]GK西川周作(大分)

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[7・2 ナビスコ杯準々決勝第1戦 F東京 1-2 大分 味スタ]

 約4分間あった後半ロスタイム、ホームで引き分けに持ち込もうとするF東京攻撃陣が必死の攻撃を見せる。FWカボレ、FW赤嶺真吾やMF梶山陽平が大分ゴールを破りにかかった。だが、不発なまま試合終了のホイッスル。大分トリニータのU-23日本代表GK西川周作の壁を崩すことはできなかった。
 大分にとってはアウェーでの貴重な勝利だ。FW平山相太のゴールを捉えた4本のシュートやMFエメルソンの高速クロスなどあわや失点の場面はあった。それでも五輪代表の守護神は的確に対応。前半ロスタイムに1点こそ失ったが、抜群の安定感と冷静なプレーで勝利だけは渡さなかった。「DFラインが集中していてミスが少ない。後ろから見ていても分かる」と西川。自らの好守よりもチームのDF陣の出来の良さを勝因に挙げた。
 西川は五輪代表の“絶対的”守護神だ。反町康治監督がオーバーエイジ枠を使い切らずにあまらせたのは、不動の存在である西川に負傷があったときのための“保険”だと言われる。それほどこの男への信頼は厚い。西川も大きな期待に応えるため、五輪へ向けてクラブからの活躍を誓う。「北京五輪がもうちょっとで来るんで、チームで活躍しないといけない」。
 昨年はチームでポジションを失い、左膝の負傷の影響で長期離脱も味わった。昨年のJ1出場はわずか11試合だけ。だが、今季はリーグ戦全14試合にフル出場し、失点数は鹿島と並んでリーグ最少の12だ。ナビスコ杯でも出場した5試合で失点は3。DF陣の支えがあるとはいえ、本人が今シーズン好調なのは間違いない。西川は「コンディションは今までで一番いい」と自信満々。不遇とケガを逞しく乗り越えて成長した守護神が北京でも五輪代表を救う。

(取材・文 吉田太郎)

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