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U-22日本代表はアジア大会準決勝へ! 対するは強敵イラン破った香港…躍進に一役買った“奇妙な恩恵”とは

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前日練習を行うU-22日本代表

 アジア大会男子サッカーは4日、準決勝を迎える。

 大会の年齢制限より2歳若いU-22年代で参加している日本は、準々決勝で北朝鮮を2-1と撃破。準決勝ではイランを破った香港と対戦する。

 香港の勝ち残りは今大会最大のサプライズだ。特にイランを破ったのは衝撃で、日本と北朝鮮の試合中のスタンドでも、この結果を伝え聞いて驚愕する人が続出していた。

「オーバーエイジの選手を軸にしつつ、周りの選手が非常に献身的に戦ってくるチーム」とは大岩剛監督の香港評。イラン戦も劣勢ながらも「勝負どころを制してきた」(大岩監督)。アジアサッカーでのネームバリューでイランに劣るとはいえ、「油断できるような相手ではない」(大岩監督)。

 中国サポーターの声援を背に受けるアドバンテージも大きいが、大会方式の恩恵も受けたチームだ。香港の属したグループCは当初、ウズベキスタン、シリア、アフガニスタンと戦うはずだった。ところが、大会を前にしてシリアとアフガニスタンが参加取りやめに。まさかの2チームグループとなったため、香港の勝ち残りがこの時点で確定した。

 ウズベキスタンと2試合をこなして1位を決定するという特殊な大会方式となったが、日本のスタッフが「練習試合を2回やっただけ」と評したように、2度の親善試合をこなしたようなもの。チームを整えながら消耗を避けた状態で決勝トーナメントに臨んだ。真剣勝負の試合数が増えれば累積警告による出場停止の恐れも増大するだけに、この奇妙な大会方式は香港にとってポジティブに作用したと思われる。ラウンド16でパレスチナを、そして準々決勝ではイランを、共に1-0のスコアで破っての勝ち残りとなった。

 対する日本はラウンド16のミャンマー戦でターンオーバーを活用するなど、消耗を避けながら戦ってきた。中2日の連戦が続く中では「回復し切れるものではない」(大岩監督)というのも現実。3日の前日練習も軽いメニュー含めて1時間で切り上げるなど、体力面にはかなり気を遣っている様子がうかがえる。

 指揮官は「全員の力が必要になる」「誰でも信頼して送り出せると思っている」と、ここまで出場時間の少ない選手に機会を与えることも示唆。ただ同時に「決勝のことではなく、まず目の前の試合に集中して勝つことが大事。カタールとの初戦から、ずっとそれを言い続けてここまで勝ち残ってきている」と、一戦必勝の心得も強調した。

 香港との準決勝は日本時間4日午後7時から開始される。

(取材・文 川端暁彦)

●第19回アジア大会特集ページ
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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