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「吹っ切れたのは新シーズンになってから」失意のW杯乗り越えた南野拓実が第2次森保J初合流

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日本代表MF南野拓実(モナコ)

 カタールW杯までの戦いを支えた日本の10番が、フランスで目に見える結果を残して帰ってきた。日本代表MF南野拓実(モナコ)は第2次森保ジャパン初招集。合流初日の10日には「久しぶりに代表のユニフォームを来てプレーすることは誇らしいし、今日もいい緊張感を持って練習ができたので、ここから試合に向けていい準備をしたい」と力を込めた。

 2020年10月からカタールW杯まで10番を背負った南野は、第2次体制が発足した今年3月から3回連続で招集外。昨季は所属先のモナコで出場機会を失っていたこともあり、代表チームでの序列を大きく下げていた。

 それでも今季、かつてザルツブルクで師事したアディ・ヒュッター新監督が就任すると、開幕4試合で3ゴール3アシストの大活躍。「オフの期間にハードなトレーニングをしたことでプレシーズンでも調子の良さにつながっていた」という取り組みの成果もあり、リーグ・アンの8月の最優秀選手にも選ばれ、フランスの名門クラブを首位に導いている。

「昨季はチームでもあまり良くなかったし、W杯から帰ってからもしばらく難しい時間が続いていた。吹っ切れたのは新しいシーズンになってからだった」。その活躍は、クロアチア戦のPK失敗など失意に終わったカタールW杯の経験を乗り越えるエネルギーにもなっているという。

 そうして掴み取った満を持しての代表復帰。「素直に嬉しい気持ちと、やってやるぞという気持ち」(南野)。日本代表は9月にドイツ、トルコに連勝して勢いに乗る中、「選ばれていない間に代表がヨーロッパでいい成績を残したのも見ていたし、選ばれるためにはまず自分のチームでしっかりやることが次につながると思っていた」という南野。その姿勢が実り、返り咲きを果たした。

 今回は第2次体制で新10番を託されたMF堂安律(フライブルク)が招集外のため、エースナンバーの行方にも注目が集まる。それでも南野はこれまでどおり、こだわりは「特にない」と強調。「代表の10番は特別なものだけど、W杯が終わってそういう部分がリセットされて、律は10番をつけるのにふさわしい選手だと思うし、僕は特に何も思っていない」。まずは自身のパフォーマンスに集中していくつもりだ。

 所属先のモナコでは負傷の影響もあり、直近4試合はゴールから遠ざかっている。南野自身も「8月は理想のスタートだった。毎試合ゴールに絡み続けるのが目標でもあるし、それができていたけど、9月に入ってからそういうところが伸びてきていないので、悔しい気持ち、もっとやらないといけないとなという気持ちがある」と自覚するところだ。

 だからこそ、まずは結果にこだわっていく構えだ。合流初日の10日のミニゲームでは力強いボールキープと、推進力のあるプレーで存在感を発揮。「チームでもしっかり結果を出してここに帰って来られたという自信はある。でもここで結果を出すことが一番大事。それに向けてしっかりいい準備をしたい」と力強く語った。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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