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物足りなさも感じていた今大会初出場初先発の中山雄太「ここが始まり」

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日本代表DF中山雄太

[1.24 アジア杯グループD第3節 日本 3-1 インドネシア アルトゥママ]

 ドーハ入りしてから別メニューの調整期間もあった日本代表DF中山雄太(ハダースフィールド)が左サイドバックとして今大会初出場初先発を果たすと、満を持しての出場で勝利に貢献し、安堵の表情を見せた。

 公式戦出場は1月1日のレスター・シティ戦以来とあって、立ち上がりはやや試合勘の部分で感覚がしっくりいっていない様子も見えた。クロスの精度も本来の実力をすべて発揮したとはいえず、絶好機につながったのは後半19分にMF堂安律がファーサイドでヘディングシュートを放った場面くらい。「しっかりと勝たなければいけない状況で結果を出したことは評価すべきだけど、ここが始まりということだと思う」と語る様子には、もっとできるという意識と物足りなさも入り混じっていた。

 とはいえ、後半アディショナルタイムの失点シーンを除けば相手に決定機をほとんど与えなかった。最終ライン全般のパフォーマンスについては、「(相手が)5バックだったので一時的にフリーになってしまう選手もいたけど、そこは分かった上での自分たちのコンパクトネスだった。トミ(冨安)、マチ(町田)を中心に、中盤を助けるコンパクトだったり、ラインの押し上げはできていたと思う」とコメント。「相手は最後は割り切ったサッカーをしてきたけど、流れの中ではうまく対応できたと思う」と評価した。

 前半30分には日本の右サイドを突破され、中山が逆サイドからニアまで走り込んでクリアしたシーンがあった。「相手のチャンスだったけど冷静だったし、トミ(冨安)がマークに付いているのを見えていた上でニアを消した。それほど慌てるものではないし、僕自身はやられたなというイメージもなかった。そこは試合前からの準備というか、メンタル的にもみんな整っていたのでうまく対応できた」と振り返った。

 90分間のプレーでこの先はさらに状態が上がっていくはず。総力戦になる決勝トーナメントに向け、「新たなスタートという感じで気を引き締めて臨みたい」と前を向いた。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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