[1.24 アジア杯グループD第3節 日本 3-1 インドネシア アルトゥママ]

　4-1-4-1のアンカーとして中盤に君臨した。19日のイラク戦(●1-2)から先発8人を入れ替えた日本代表において、キャプテンのMF遠藤航(リバプール)がフィールド選手で唯一の3試合連続先発出場。3試合連続のフル出場となった。最後の1失点こそもったいなかったが、スコア同様に内容でも圧倒し、「試合の入りから良かったと思うし、切り替えもプレッシングも含めてみんなよくやっていた」と仲間を称えた。

　いずれも2失点を喫したベトナム戦(○4-2)、イラク戦からの反省として、前向きにアクションを起こしつつ、ボールを失ったあとの切り替えに意識を注いだ。前半、日本は高い位置で攻撃を仕掛け、たとえ奪われてもすぐに周りの選手がそこに反応。奪い返して、2次攻撃、3次攻撃を繰り返した。

　前半のボール保持率は約80%。狙いどおりのゲーム運びができたことについて遠藤は、「イラクはシンプルにロングボールを蹴ってくるので、切り替えで奪い切れないことはある。インドネシアはブロックを引いて守ってきたが、失ったあとの切り替えのところでつなごうとトライしていたので、逆に自分たちのカウンタープレスがはまりやすかった」と説明した。

　イラク戦で課題となった球際の勝負に関しては、遠藤自身がプレーで示した。インドネシア選手に対してデュエルはほぼ全勝。「今日は4-1-4-1でアンカー気味にプレーしていたので、結局自分のところで奪えれば良いんでしょうという感じだった。それはリバプールでやっていることと同じ。自分に求められている部分であり、代表だけじゃなく、リバプールでずっとトライしているところ。しっかり自分のところで奪い切ることは意識していたし、セカンドボールのところでも運動量多くやれた」と胸を張った。

　終わってみれば日本はFW上田綺世が2ゴールを決め、全3得点に絡む活躍を見せた。「チームとして特に前の選手が獲ったところはかなりポジティブ」。遠藤はそう言いながらも、チームの収穫として「でも悔しい思いをした前の選手もいる。そういう思いを持って次に臨めるのは良いことだと思う」と指摘する。

　決勝トーナメント1回戦で対戦するE組1位のチームは25日に決定する。可能性としては第2節終了時点で1位のヨルダン、2位の韓国、3位のバーレーンまである。「どこが来ても倒すだけ。優勝するうえでは、どちらにせよ韓国やイランだったり、強豪とどこかで当たる。そこを倒さないと優勝は見えてこないので、それが少し早くなるだけ。どの相手が来ても良い準備をして勝ち進んでいくだけ」。優勝へ一直線で進んでいく決意を見せた。

(取材・文　矢内由美子)

---

●AFCアジアカップ2023特集