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「キャッチした感覚はあったが…」失点場面を振り返った鈴木彩艶に遠藤航からの助言も

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日本代表GK鈴木彩艶

[1.31 アジア杯決勝T1回戦 日本 3-1 バーレーン アルトゥママ]

 アジアカップ4試合連続で先発を任された日本代表GK鈴木彩艶(シントトロイデン)は、グループリーグで1-2の敗戦を喫したイラクと同じ中東のバーレーンを相手に3-1で勝利し、「今回も完全アウェーになると聞いていた。前回のイラク戦では早い時間に失点して、難しい展開になったが、今日は勝利して次のステージにつなげられたので良かった」と安堵の表情を浮かべながらも、すぐにまたしてもクリーンシートを逃したことを悔やんだ。

 2-0とリードした後半18分のことだった。相手のクロスを頭で跳ね返そうとしたDF冨安健洋のクリアが高く跳ね上がると、彩艶がパンチングミス。相手に左CKを与えてしまった。このCKからDFサイド・バケルに頭で合わせられると、彩艶のパンチングがゴール方向に飛び、ゴールライン上でカバーに入っていたFW上田綺世と接触。ボールは一度は彩艶の手に収まったかに見えたが、こぼれ落ちてしまい、オウンゴールで失点した。

 このシーンについて彩艶は「ボールに反応してキャッチした感覚はあったが、その後にぶつかって失点してしまった。あそこで弾く判断へ変えられたら良かった」と振り返った。上田との連係に関しては「上田選手とも話しましたが、ボールが見えていなかったと言っていたし、上田選手はライン上にいたので、声をかけてもボールに反応すると言っていた」と説明。上田も「あそこはちょっとアンラッキーで、だれが悪いわけではなく、自分のゴールにボールが向かっている中で、それをどっちかに任せることはできない」と話していた。

 修正課題は失点シーンだけではない。相手にCKを与える前に冨安のクリアが乱れたところでプレーを切ることができていればCKを与えることもなかった。これについては試合後にMF遠藤航とディスカッションしたといい、「CKの前のシーンで空中に上がったボールは自分のイメージとしてはすごい回転がかかっていたので、キャッチでこぼすのが怖かった。前回のイラク戦のシーンも同じようなシーンがあって、ミスをしてセカンドボールを作っていた。(遠藤から)そこをトライしていいんじゃないかという声がけをもらった」と明かした。

 課題は依然残るが、グループリーグ3試合では見られなかった良さも少しずつ出てきたことは収穫だ。前半11分、中盤のミスからカウンターを受けた場面ではFWアブドゥラ・ユスフとの1対1を右足でセーブ。その前にオフサイドではあったが、このシーンについて「最初はボールにアタックしようと思ったが、相手の状況も良かったのでステイした。角度的にも自分の間合いで対応できた。そこまで難しいボールではなく、落ち着いて対応できた」と胸を張った。

 前半29分に打たれたミドルシュートも冷静にキャッチ。ビルドアップでも前半24分、相手が前からパスコースを消してきたところでセンターサークル付近にいたMF旗手怜央に縦パスを通す好判断があった。「プレッシャーがかかってもつないでいくことが大事。そこも最後まで見れていたので、うまくパスを出せたかなと思う」。試練はなくならないが、次も試合がある。ベスト8からの戦いに向けては「アジア杯はセットプレーが本当に大事になってくる。これ以上失点すると非常にもったいない。修正しないといけない」と力を込めた。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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