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完封より勝利にこだわる鈴木彩艶、イランFWアズムンには「不意にシュートを打ってくる」と警戒

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日本代表GK鈴木彩艶

 FIFAランキングでアジア勢トップの日本代表(17位)と2番目のイラン代表(21位)の戦いがアジアカップの準々決勝で実現する。ここまでの全4試合に先発し、いずれも失点を喫してきたGK鈴木彩艶(シントトロイデン)は、イラン戦を前に「完封したいという思いはあるが、一番は勝利できればいい」と語り、質よりも実にこだわって勝ち進むことにつなげたいとの意向を示した。

 決勝トーナメント1回戦のイラン対シリア戦ではFWメフディ・タレミが退場となり、日本戦は出場停止となるが、二枚看板の一人である身長187cmのFWサルダル・アズムンはやはり強烈だ。

「20番のトップの選手(アズムン)がパワフルな選手で、そこまで大きいというわけではないですけど、キープ力があるので、そこからのセカンドボールの展開を警戒したい。守備の部分でも前に強さがあるので、そういうところでしっかりと対応していきたいと思います」
 
 昨季はレバークーゼンでプレーし、今季はローマに所属するアズムンの特徴はほぼ解析済み。どのようにして抑えていきたいかを聞かれると、「力強いシュートを持っていますし、どこからでも打ってくる。不意にシュートを打ってくるイメージもあるので、(相手が)後ろ向きであっても常にシュートの準備をしていくことは大事ですし、あとはサイドに流れたときに、中でどこのポジションにいるのかという立ち位置を確認することが大事かなと思います」と留意点を語った。

 アズムンだけではない。「左サイドにはこの大会で2得点を決めている選手もいる」と、左サイドハーフのFWメフディ・ガエディも警戒。「そういったところも全体的にしっかりと守備をしないといけない」と対応のイメージを語った。

 強敵との戦いでは、失点してもそれに引きずられないメンタルも重要になる。「仮に1失点したとしても、得点力のある選手がたくさんいますし、ゲームの流れを変えてくれるというのは分かっている。失点に惑わされず、最後までプレーし続けることが大事かなと思います」。クリーンシートよりも大事な「勝利」にフォーカスする姿勢は万全だ。

 イランにはアジア屈指のGKと勝されるアリレザ・ベイランバンドがおり、決勝トーナメント1回戦ではPK戦でシリアの2人目のキックを止めるなど、勝利に貢献した。「足元の技術が高いイメージ。(評価の高い)ロングスローも見ましたが、最近はキックのイメージです」と印象を語った彩艶だが、「相手キーパーと競っているわけではないので気にしていない。自分は自分のプレーに集中するだけ」と意に介さない。

 PKになったとしても強気が揺らぐことはない。22年6月3日にウズベキスタンで行われたU23アジア杯グループリーグ初戦のUAE戦では、1-1で迎えた後半25分にPKをストップ。日本はその後、FW細谷真大のゴールで2-1の勝利を収めて白星発進に成功した。

「プロになってからPK戦は経験してないですが、練習でもやっているし、U23アジアカップのUAE戦でもゲーム中に1本止めた。同じアジアカップなので強い気持ちを持っています」。どんな形でもまずは勝つこと。そのうえでクリーンシートが付いてくれば言うことはない。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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