[2.28 五輪アジア最終予選(女子)第2戦 日本 2-1 北朝鮮 国立]

　チームに勢いをもたらす先制点を叩き込んだ――。

　前半26分に試合を動かす値千金のゴールを奪取したのが日本女子代表(なでしこジャパン)DF高橋はなだった。DF北川ひかるが蹴り出したFKをDF熊谷紗希が競り合うと、FW上野真実がつないでFW田中美南がヘディングシュート。相手GKに触れられたボールはクロスバーを叩くも、こぼれ球にいち早く反応した高橋が押し込んでスコアを1-0とした。

　試合後のフラッシュインタビューで、「いいところにこぼれてきただけなので押し込むだけでした」と振り返った。

　後半31分にMF藤野あおばの得点で突き放すと、北朝鮮の反撃を36分の1点に抑えて2-1の勝利。見事にパリ五輪行きの切符を手にすることとなった。

「苦しい時間帯も続いたし、失点のところも私のミスなので反省点は多いですけど、チームの皆のおかげで勝てました」

　これまで攻撃をけん引してきたMF猶本光が左膝前十字靭帯損傷で戦線を離脱。浦和レディースのチームメイトでもある高橋は「今日も光さんの名前を書いて臨んだ」と手首に巻いたテーピングに猶本の名前を書いていたことを明かす。「一緒に戦っていた。光さんも頑張っているので私たちも負けられない。遠藤純も今回怪我で来れなくなってしまったので、色んな人の思いを背負ってチーム全員で戦った」。

　パリ五輪出場権獲得に「まずは出場権を決めることができてホッとしています」と語るとともに、「感謝の気持ちを忘れずにパリに向かって成長していくだけなので、もっともっと頑張ります」と本大会に向けて視線を上へと上げた。