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アジア杯敗退後初陣へ森保監督「特別な働きかけはしていない」欧州組コンディション配慮の起用を示唆

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森保一監督

 日本代表森保一監督が20日、北中米ワールドカップアジア2次予選・北朝鮮戦(21日・国立)の前日会見に出席し、「コンディションが良い選手を起用するのが基本」と起用方針を述べた。

 北朝鮮とのホームゲームは木曜日に組まれたため、先週末に所属先のリーグ戦を戦っていた欧州組は帰国直後で迎える一戦。MF遠藤航(リバプール)、MF守田英正(スポルティング)、FW上田綺世(フェイエノールト)ら12選手は19日の全体練習でボールを使うメニューには加わっておらず、本格的な練習に参加するのは試合前日の1回のみとなる。

 森保監督はこの日、北朝鮮とのタフな一戦に向けて「ヨーロッパから招集させてもらっている選手が多く、長距離移動、時差、普段持っている100%の力かというとそうではないと思う。それを言い訳にする話ではなく、チームとして規律を持って、お互いカバーし合えるように、今持っている力を100%を出すためにチームとして戦うことが大切だと思う」と意気込みを述べつつも、コンディションには配慮する構えを見せた。

 記者会見は前日練習前に行われたこともあり、「コンディションは基準になるが、ハードにトレーニングしてどれくらいかのコンディションかをデータとして客観的に見るのは難しい」と森保監督。「ただ選手たちのことは現地や映像で確認し、本人や所属チームのスタッフとコミュニケーションを取って共有しているところがあるので、コンディションがいい選手を起用するのが基本だと思う」と起用方針を述べた。

 前日19日のトレーニングでフルメニューに参加したのはDF長友佑都(FC東京)、DF毎熊晟矢(C大阪)ら国内組5選手と、所属クラブのリーグ戦開催が早かったDF板倉滉(ボルシアMG)、DF橋岡大樹(ルートン・タウン)、DF伊藤洋輝(シュツットガルト)、MF田中碧(デュッセルドルフ)、MF久保建英(ソシエダ)、FW浅野拓磨(ボーフム)、FW前田大然(セルティック)の欧州組7選手。DF谷口彰悟(アルラーヤン)も一部メニューに合流しており、起用の優先順位が上がりそうだ。

 そうしたコンディション面への配慮が行われる一方、戦術共有の取り組みは別の形で進んでいる。別調整となったGK鈴木彩艶(シントトロイデン)を除く24人全員が揃った19日の練習冒頭30分間では、報道非公開でピッチ上での戦術練習を実施。これは第2次森保ジャパンで始まった取り組みだが、「戦術的な共有をするということで全員で負荷のかからない状況で戦術の共有をした」(森保監督)という。

 もっとも指揮官によると、戦術確認の内容はアジア杯の敗退を受けて変化させたものではないようだ。「アジア杯で思ったような結果が出なかったから特別に変えたというより、これまでも過去の試合を振り返って成果と課題を次の試合に向けてポジティブ変換していく、活かしていくということをしてきた中、明日のDPRコリア戦に向けて必要なことを昨日は戦術確認をした」といい、まずはこれまでのコンセプトを継続しながら北朝鮮戦に臨んでいく構えだ。

 チームへの働きかけについても「チームとして上向きになるという特別な働きかけはしていない」と森保監督。「アジア杯で負けたから課題があるというわけではなく、それまでも課題はあったと思うし、そこでのいつも通りの成果と課題の振り返りをして、明日の試合やこれからの成長につなげていけるとミーティングで声かけをしてきた」と強調しつつ、「アジア杯で悔しい思いをしたというところでは選手全員が、参加している選手もそうではない選手も、次に向けてより自分たちがやるべき全てのクオリティーに厳しさを持って前進しないといけないところは持ってくれている」と選手への信頼を口にした。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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