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「熱量のことを話している時点でレベルの低い集団」長友復帰でも変わらぬ堂安律の覚悟と自覚「自分がアクションを取る」

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日本代表MF堂安律

 わずか1日の練習でも言い訳はしない。19日朝に帰国し、全体練習に完全合流できたのは試合前日のみ。それでも日本代表MF堂安律(フライブルク)は21日のW杯アジア2次予選・北朝鮮戦(国立)に向け、「これも日本代表の宿命だと思うので、それほど練習しなくても分かり合えるのがいい選手の基準だと思っている。言い訳にするような材料ではない」と強調した。

 ベスト8敗退に終わったアジアカップ後、初の代表活動。イラン戦(●1-2)後にDF冨安健洋は"熱量不足”を敗因の一つに挙げた。今回、冨安の招集は見送られたが、「(アジアカップが)終わってから冨安とも意見を出し合った」という堂安は「日本代表として戦う以上、熱量のことを話している時点で少しレベルの低い集団になっていると思う。そこは正直、僕たちがディスカッションするレベルではいけない」と厳しい口調で言った。

 堂安自身はグループリーグ第3戦のインドネシア戦から先発に定着し、戦う姿勢を前面に出してチームを牽引したが、「自分が熱量を持ってアジアカップを戦えていたとしても、その熱量を周りに伝えられなかったら意味がないし、そこは責任を感じている」と自らも責める。

 チームに熱量を注げる存在として、DF長友佑都がカタールW杯以来の代表復帰を果たした。堂安は「監督が言っていたとおり、レベルの高いパフォーマンスをしていたから選ばれたと思う」と前置きしたうえで、「長友選手が来たからといって、久々に会えるとか、そういう甘ったるい集団ではダメだと思う。一人たくましい選手が来たのは間違いないけど、彼の経験値、熱量を生かしながらも、自分がアクションを取ってやりたい気持ちは変わっていない」と、自らリーダーシップを持ってチームを引っ張る自覚を口にした。

 北朝鮮については「球際のところは強く来るし、映像を見る限り、思った以上に足元もしっかりしている。チームとしてしっかりプレスできないとかいくぐられる」と指摘。ホームゲームの5日後には敵地・平壌での第2戦も待っている。「アウェーの試合は雰囲気含めて予想できない。初戦で相手の希望をへし折るような結果と内容で戦えれば、2戦目、相手にノーチャンスと思わせるようなアドバンテージを持って向こうに向かえると思う」と、まずは目の前の試合に集中した。

(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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