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歓喜のゴールパフォーマンスとお笑い芸人の関係性…MF川崎颯太「好きな芸人さんのポーズです」

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MF川崎颯太

[4.19 AFC U23アジア杯GL第2節 日本 2-0 UAE ドーハ]

 ゴールパフォーマンスを2つ披露した。後半21分、2-0とリードを広げる殊勲のゴールを決めたMF川崎颯太(京都)は、顔の前に右手でポーズするパフォーマンス。「好きな芸人さんのポーズです。天竺鼠の川原(克己)さんと、もう一つが(スカチャンの)ヤジマリー。さん。奥さんも僕も好きなんです。なかなか点を取ることもないんで、欲張らせてもらいました」。そう言って笑った。

 得点は後半16分にVARの介入でゴールを取り消されたDF大畑歩夢からのクロスに頭を合わせてのものだった。川崎自身も前半終了間際にPKを獲得したもののVARの介入によって取り消されていた。

「もどかしい気持ちが多かった中で、1対0のままジリジリ行くよりも2対0にできて非常に楽になった」と胸を張った。

 右インサイドハーフで先発し、前半から積極的に敵陣深くへ侵入した。「自分が無駄走りというか、おとりでもチャンスになることが分かっていたので、ダイアゴナルランを嫌がらずに何回もした。良い形を何度も作れた」。そう言って自画自賛したが、すべては勝利のためだ。「チームのために走れたというのは自分で大きかったと思う」とうれしそうに言った。

 アンカーを務めるMF山本理仁と話しながら、臨機応変に位置関係を変え、相手を撹乱した。「相手が前から3人でプレスをかけてきたときは、2ボランチ気味にしたほうがいいかな、と理仁と話した。理仁ができること、俺ができること、両方が理解している」。選手交代をせずともピッチ内でオプションを見せられるのはクレバーなこの2人の強みだろう。

 3月22日にあったマリとの国際親善試合。所属する京都のホームグラウンドでの試合で気合が入る中、1-0とリードしていた前半34分に自身のパスミスから同点弾を許し、最終的に1-3の逆転負け。唇を噛みしめながら「信頼を取り戻したい」と誓った。後日には「京都と代表のサッカーが違う中で自分が少し悩みながらプレーしてしまい、代表では良いエネルギーを出せなかった」とも振り返っていた。

 UAE戦後のミックスゾーンでマリ戦のことを聞かれると、「悔しかったですし、信頼を取り戻すというよりも、自分の中であまり自信がなかったので、そういう意味でもここはアグレッシブに、ミスをビビるだけではなく、チャレンジするという気持ちが大きかった」と心の動きを素直に明かした。

 これで日本はグループリーグ突破を確定。しかし、まだ何も手にしていない。「この試合で信頼を取り戻したとは思っていない。ただ(優勝まで)の6分の1。自分はここで点を取ったからどう、となる人じゃないですが、もう一回ネジを締めて行きたい。点を取ったからこそ、良いプレーをできたからこそ、次もいいプレーをするというモチベーションで臨まなければと思っている」。キリッとした表情を浮かべた。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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