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松木玖生がパリ五輪で「個人的に勝ちたい」と挙げた国は…「自分のプレーを磨いていきたい」

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MF松木玖生

[5.3 AFC U23アジア杯決勝 日本 1-0 ウズベキスタン ドーハ]

 アジアの頂点に立った喜びを噛みしめながらも、すぐにパリ五輪へ目を向けた。U-23日本代表MF松木玖生(FC東京)は決勝戦の前に「アジアの1位と2位で行くのとは全然別もの。しっかりアジアを取りきってパリに行きたい」と語っていたシナリオ通りの結果を手に入れ、「選手おのおのの勝ちたい気持ちが相手を上回っていた」と誇らしげに言った。

 日本はこの優勝により、パリ五輪本大会のグループリーグではパラグアイ、マリ、イスラエルと同じD組に入ることが決まった。それを踏まえ、松木はアジア王者としてパリ五輪に臨む意気込みを聞かれるとこう語った。

「その(アジア王者)ような見られ方もすると思うし、グループリーグでイスラエルと一緒だと思う。どこも強豪国だと思うし、しっかりと地に足をつけてやりたい」

 自らチーム名を挙げたイスラエルとは因縁がある。昨年5月27日にアルゼンチンで行われたU-20W杯グループリーグ第3戦イスラエル戦。日本は前半終了間際にFW坂本一彩(当時岡山)が先制ゴールを挙げたが、後半31分と同アディショナルタイムに失点し、1-2の逆転負けとなり、グループリーグ敗退の屈辱を味わった。

 松木は4-2-3-1のトップ下で先発。先制点をアシストしたが、試合終盤はゲームをコントロールできず、「世界との差を見せられた」と肩を落とした。

 ウズベキスタンとの決勝戦を制したことで「パリでイスラエルに借りを返したいか」と尋ねられると「個人的にはあります」ときっぱり。「(U-23日本代表とU-20日本代表は)チームとしては全然違うけど、個人的に勝ちたいです」とも言った。

 4-3-3のインサイドハーフとして先発したウズベキスタンとの決勝戦では大いに苦しんだが、その分、つかみ取れた自信も大きなものがあった。「立ち上がりに点を決めたかったが、相手のウズベキスタンも強かったし、簡単にいかないなとピッチでプレーして思っていた。でも、その中でも前半を0(失点)で抑えきれたことは大きかった」。一方でもっとできたと思う部分もある。

「きょうはサイドに(藤尾)翔太くんと(佐藤)恵允くんがいて自分がうまく活かし切ることができなかった。翔太くんのサイドに関しては高さにも分があったので、そこからのセカンドボールも有効になったかなと個人的には思います」

 今後は再びJリーグの舞台に戻り、今回の23人からオーバーエージも含めて18人に絞られるパリ五輪代表入りを目指していく闘いが始まる。「交代した選手がああやって活躍してくれるのは選手層の厚さだと思うし、こういう選手たちがパリに向けてライバルにもなっていく。ライバルでありながらもしっかり尊重して、自分のプレーを磨いていきたい」と意気込んだ。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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