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[SBSカップ]U-19代表追撃及ばず(U-19日本vsU-19アルゼンチン)

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[08.24 SBSカップ国際ユースサッカー第2日 U-19日本代表 2-3 U-19アルゼンチン代表 日本平スタジアム]

 今秋のAFC U-19選手権(サウジアラビア)で09年U-20W杯の出場権獲得を目指すU-19日本代表が、SBSカップ国際ユースサッカー第2戦でU-19アルゼンチン代表と対戦。後半8分からの14分間で3点を挙げたアルゼンチンが日本の追撃を振り切り、3-2で勝った。
 予備登録されていたDFエミリアーノ・インシュア(リバプール)やFWフランコ・ディ・サント(チェルシー)ら海外組や主力級の選手は不在というU-19アルゼンチン代表だが、前日23日の静岡ユース戦はFWダミアン・エマヌエル・リシオ(リバープレート)の2得点など後半の4ゴールで快勝。そのアルゼンチン(布陣は4-4-2)に対し、日本は4-4-2の布陣で試合に臨んだ。GKは権田修一(F東京)で4バックは右から青木拓矢(大宮)、村松大輔(Honda FC)、金井貢史(横浜FM)、酒井高徳(新潟ユース)。中盤は前日にPK戦で勝ったオーストラリア戦と同じ4人で山本康裕(磐田)と下田光平(F東京)を中央に右が菊池大介(湘南)、左が鈴木惇(福岡)。2トップは前日途中出場だった白谷建人(C大阪)が大迫勇也(鹿児島城西高)とコンビを組んだ。
 「前半は削りあいの展開だった」とアルゼンチンのワルテル・ペラッソ監督が振り返ったように、前半は互いに攻撃面でのよさを出せず、得点の予感がほとんどない内容。特に日本は前線へのくさびのボールが入らず、横パスや後方へのパスが目立つなど積極性を欠いた試合展開となってしまった。その“安全な”はずのパスも相手にカットされてカウンターを食らうなど、好転しないまま前半は進んだ。鈴木や山本が得意のFKで直接ゴールを狙う場面はあったが、相手に脅威を与えるようなプレーはなかった。一方、守備面に関しては中盤中央の下田が相手ボールに良く絡み、ストッパーの村松とカバーリングに長けた金井が中央をしっかりブロック。抜群の個人技を披露するFWパトリシオ・フリアン・ロドリーゲス(インディペンディエンテ)らアルゼンチンのアタッカー陣に思い通りの形を作らせなかった。
 だが、後半立ち上がりのアクシデントが日本守備陣に混乱をもたらす。前半17分に右足首を痛めていた村松の負傷が悪化し、後半6分に途中交代。ベンチにいるCB薗田淳(川崎F)は初戦で左足首を負傷して出場できる状態ではなかった。そのために牧内辰也監督はボランチの下田を最終ラインに下げ、鈴木を中央に移動させて対応。だが、前半から好守を見せていた下田が下がったことで中盤でのプレッシャーが甘くなり、今月に初めてSBをテストされたばかりの青木を含む急造最終ラインも連係を欠いてしまった。そして8分、グラウンダーの右FKを途中出場のFWフアン・アンヘル・ネイラ(ヒムナシア・ラ・プラタ)に右足で決められて失点。日本は20分にも右クロスから再びネイラに決められ、さらにその2分後にはPKを献上して決定的な3点目を奪われてしまった。
 攻めるしかなくなった日本は直後から追撃を開始。24分に鈴木の右FKのこぼれ球に反応した山本が左足シュートをゴール左隅に突き刺し2点差に迫ると、同31分には鈴木の右FKを酒井が頭で押し込み、ついに1点差まで迫る。そして後半ロスタイム、鈴木のスルーパスに反応した途中出場のMF廣瀬智靖(山形)が絶妙な左クロスを中央に送るが、ニアサイドへ飛び込んだFW川又堅碁(新潟)はわずかに届かず。試合終了となった。
 2戦2勝で勝ち点6のアルゼンチンは首位をキープ。「プレーが消極的。失点した後に下を向く選手が多すぎる。前を向いていく我慢強さが必要かなと思う」と牧内監督が苦言を呈した日本は、1勝(PK戦勝利)1敗の勝ち点2となり、5年ぶりの優勝の可能性が消えた。
 
<写真>敗戦にがっくりと肩を落とすU-19日本代表イレブン
(取材・文 吉田太郎)

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