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[戦評]攻撃面で一皮むけた岡田ジャパン

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[5.31 キリン杯 日本4-0ベルギー 国立]

田村修一の「視点」

 6月のW杯アジア最終予選3連戦に向けて、良い準備ができている。そんな印象を持たせてくれたキリンカップだった。

 特に攻撃面では、岡田武史監督のコンセプトがチームに浸透してきている。準備期間も殆どなく即席のチーム構成だったにも関わらず、無駄な動き、無駄なパスがなくなった。シンプル且つアグレッシブでスピード感もある。非常に効率良い攻撃だった。これは長期的にやってきたことの積み重ね。それがこの時期に形となって表れてきた証拠だろう。

 チリ戦、ベルギー戦には非常に驚いた。中村憲剛、遠藤保仁、中村俊輔の3枚を並べるとやはり攻撃の厚みが違ってくる。それがこの2戦で非常によくわかった。今後は松井大輔も合流する中で、大久保嘉人をどのように使うのかなどの懸念はあるものの、今の状態は岡田体制になって最も良い状況。そう断言できる。動きの質が一皮むけた、レベルが一段階上がった。そういってしまっても言い過ぎではない。

 しかし守備面に関しては、残念ながら攻撃面ほど良くはない。特に今日の田中マルクス闘莉王のような、Lazyな集中力を欠いたプレーもまだ目立つ。パスミスも雑なボール処理もあった。2戦合計で8-0と完封しているので結果オーライではあるが、一つ間違えれば命取りになりそうなミスがあった。

 これらを踏まえた上で、監督は当然ウズベキスタン戦に向けて立て直してくるだろう。修正できれば、6月の3連戦は問題ない。十分に勝ち抜くことができるだろう。このキリンカップ2戦は、良い意味で非常に驚かされた良いゲームだった。

(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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