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“勝てない”U-18代表、横浜FMに逆転負け

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[7.9 練習試合 U-18日本代表候補 1-2 横浜FM 横浜FM MM21トレーニングセンター]

 2011年のU-20W杯出場を目指すU-18日本代表候補が9日、横浜F・マリノスと練習試合(30分2本)を行い、1-2で敗れた。6日から静岡県と神奈川県で行われた強化合宿はこの日で打ち上げ。同代表は8月にSBS国際ユースサッカー大会(静岡)に出場する。

 U-18日本代表は1本目11分、PA付近で競ったMF深澤大地(静岡学園高)が頭で落とすと、ボールを拾ったFW重松健太郎(F東京U-18)がGKの頭上を射抜く“ドライブシュート”を叩き込み先制。だが、その後はDF中澤佑二やMF狩野健太ら主力不在でほぼ控え組の横浜FMに完全に試合を支配される。MF六平光成(中央大)と深澤の両センターハーフがボールを捌くが、なかなかアタッキングエリアで前を向く場面が作れず。逆にボールを支配された中盤以降は再三サイドや最終ラインの裏を破られ、決定機を作り出された。

 それでもGK中村隼(浦和ユース)のビッグセーブや横浜FMの拙攻に助けられ、1本目は1-0とリードして終えたU-18日本代表。だが、2本目はコミュニケーション不足を露呈してしまう。6分にDF間の連係ミスから横浜FMのFW斉藤陽介にループシュートを決められると25分にはDF金根煥の右サイドからの折り返しをMF水沼宏太に押し込まれ、1-2とされた。
 U-18代表は2分に右MF古林将太が右サイドのほとんど角度のない位置から放った右足シュートのこぼれ球を、重松が決定的な形で詰めるも枠の外。16分にはカウンターからMF加藤大が独走し、そのスルーパスでFW住田貴彦が抜け出すが、シュートまでは持ち込めなかった。少ないチャンスをゴールへ結び付けようとしたが、ラストパス、クロスを送る一歩手前でボールを奪われるなどいい場面をつくれなかった。
 
 0-4で完敗した清水戦よりは内容が向上していたようだが、それでもJリーガー相手だと狙い通りのサッカーをする時間帯が短い。指揮を執る布啓一郎監督が掲げる「日本人のストロングポイントである技術、運動量、組織力を生かしたサッカー」はある程度表現できてきていることを指揮官は主張するが、まだまだその道のりは長そうだ。実際、練習試合では大学生にも勝てない試合が続いている。それだけに布監督は「しっかり勝ち切れることを目指していくことが大事」と語った。
 
 牧内辰也監督(現コーチ)が率いた前回の代表(AFC U-19選手権準々決勝敗退)は親善試合で全く勝てない時期が長かった。今回の連敗を選手はあまり重く受け止めていないようだが、11月のAFC U-19選手権予選へむけて勝利で自信をつけておきたいことは確か。8月のSBSカップ、9月の仙台カップは毎回苦戦を強いられる地域選抜との一戦も組まれている。そこでしっかりと勢いに乗れるか。
 日本はまず8月のSBSカップでU-18フランス代表、U-18メキシコ代表、静岡ユース(静岡県高校選抜)と対戦する。

<写真>U-18日本代表候補のMF田口(左)がプレッシャーをかいくぐりパスを繰り出す
(文 吉田太郎)

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