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槙野が長友を差し置いて左SBでテスト、「真ん中もサイドもできるのは僕の強み」

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 “無風地帯”に嵐を起こす! 守備戦術の練習で赤いビブスが配られ、4バックが形成された時、報道陣からどよめきが起きた。左SBに一番最初に配置されたのは、南アフリカW杯を経験しセリアAでも活躍する長友佑都(チェゼーナ)ではなく、槙野智章(広島)だった。
 「左サイドバックで試された? 覚悟はしていました。真ん中もサイドもできるのは僕の強み。与えられたところで頑張りたい」
 槙野は臆することなく、力強く言い切った。広島では3バックの左を担当するが、チーム2位タイの今季リーグ戦4得点と攻撃力も高い。長友佑都のようなスピードと体力はないが、上背も含めて守備力では劣っていない。
 日本代表では岡田武史前監督時の練習でやっているほか、アルベルト・ザッケローニ監督が来日して視察した9月のグアテマラ戦(長居)では、後半から左サイドバックに入り、無難なプレーを見せている。ザック監督は4バックの4選手が連動した緻密なゾーンDFを標榜しており、SBもCBもできるユーティリティー性が評価されたようだ。
 「長友佑都を差し置いた? きょうのは関係ないと思う。とにかく、監督の求めていることを理解しないといけない。それで自分のプレーを出していきたい。広島では守備の練習をほとんどしないんで。攻撃ばかりで。(ザック監督の練習は)学校みたい。毎日が勉強ですね」
 さすがに長友への“挑戦状”までは出さなかったが、ポジション奪取に向けて貪欲な姿勢をのぞかせた。実績では劣るが、高さやラインDFができるなど彼なりの良さはある。そもそも左SBはCBと同様に人材薄なポジションで、新戦力の台頭が望まれている。広島を支える若きディフェンスリーダーが、長友佑都で“鉄板”と思われていた左SBに“風穴”を開ける。
<写真>CBではなく、左SBで“ザックの授業”を受けた槙野。長友の牙城に挑む
(取材・文 近藤安弘)

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