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岡崎弾でアルゼンチンを撃破!ザックジャパンが初陣で大金星!!

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[10.8 キリンチャレンジ杯 日本1-0アルゼンチン 埼玉]

 ザックジャパン初陣で大金星! 日本代表は8日、埼玉スタジアムでアルゼンチン代表と対戦。アルベルト・ザッケローニ監督の初陣となった一戦は前半19分にFW岡崎慎司(清水)のゴールで先制し、前半を1-0で折り返すと、後半もアルゼンチンの反撃を粘り強く跳ね返し、1-0で逃げ切った。

 日本は9月の2試合に続いて4-2-3-1を採用。GKは新背番号1の川島永嗣で、4バックは右から内田篤人、今野泰幸、栗原勇蔵、長友佑都と並んだ。中盤は長谷部誠と遠藤保仁のダブルボランチで、2列目に右から岡崎慎司、本田圭佑、香川真司と入り、森本貴幸が1トップを務めた。
 アルゼンチンは4-3-3のシステムで、3トップは右にリオネル・メッシ、左にカルロス・テベス、中央にディエゴ・ミリートが入った。
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 試合開始20秒過ぎ、いきなり冷や汗をかいた。アルゼンチンのプレッシャーを受け、DFラインにまでボールを戻した日本は自陣PA内からクリアしようとした栗原が足を滑らせ、D・ミリートにボールを奪われてしまう。しかし、D・ミリートはシュートをミートし切れず、川島がなんとか抑えた。

 前半7分にはメッシがドリブルで中央を突破。体勢を崩しながらも右サイドのD・ミリートにパスを出すと、ゴール前に詰めてリターンパスを受け、左足でループシュートを狙ったが、ゴール上に外れた。

 立ち上がりはアルゼンチンの早い寄せの前にリズムをつかめなかった日本も香川、本田圭という海外組2人が抜群のキープ力でタメをつくり、徐々に落ち着きを取り戻す。前半9分には右サイドで本田圭からパスを受けた内田が鋭いフェイントから縦に突破し、ゴールに前にクロス。岡崎がDFガブリエル・ミリートの背後から飛び出し、至近距離からシュートを放ったが、GKの正面を突いた。

 決定機を逃し、頭を抱えた岡崎だったが、前半19分、今度こそ正真正銘の先制点を奪う。本田圭のシュートのこぼれ球をPA外で拾った長谷部が右足で思い切りよくミドルシュート。強烈なブレ球シュートをGKロメロが前にこぼすと、全速力で詰めた岡崎が右足で押し込み、ゴールネットを揺らした。

 アルゼンチンから奪った貴重な先制点。ここからアルゼンチンが猛攻を仕掛けてくるが、日本の守備陣もバランスを崩さない。SBが中に絞った4バックのゾーンディフェンスがうまく機能し、両サイドハーフやボランチと連動しながらアルゼンチンの波状攻撃を跳ね返した。

 前半25分にはメッシの横パスを受けたテベスがPA外から強烈な右足ミドルを放つも、GK川島が体を張って抑える。同28分、右45度の位置から狙ったメッシの直接FKも川島が横っ跳びのファインセーブでかき出した。

 アルゼンチンは前半33分にD・ミリートがFWイグアイン、同45分にもMFカンビアッソがMFボラッティに交代。いずれも負傷による選手交代で、思わぬアクシデントとなった。

 日本は右サイドの内田が再三の攻撃参加からチャンスを演出した。前半43分には前線で香川、本田圭、長谷部とつないで、右サイドでフリーの内田に展開し、そのまま内田が切れ込んで右足でシュート。これはゴール上に外れたが、アルゼンチン相手に互角に渡り合い、1点のリードを保ったまま前半を折り返した。

 後半に入り、日本が押し込まれる時間は徐々に長くなるが、ゾーンディフェンスは破綻することなく、アルゼンチンの反撃に対応。逆に後半7分には右サイドを縦に仕掛けた岡崎の折り返しから香川が右足で狙うチャンスをつくる。同11分には右45度の位置で直接FKを獲得。本田圭の無回転FKは枠を捉えたが、GKがなんとか前に弾き、DFがクリアした。

 アルゼンチンは前半14分、横パスを受けたメッシが左足でミドルシュートを放つもゴール上へ。同22分にはメッシが絶妙なスルーパスでゴール前の密集を通したが、テベスのシュートは右に外れた。メッシを起点にチャンスをつくるアルゼンチンだが、攻撃は中央に偏りがちで、真ん中を固める日本は粘り強く跳ね返す。岡崎が自陣PA内でカバーに入って決定的なピンチを救うなどチーム全体で耐え続けた。

 日本は後半20分、森本に代えてFW前田遼一を投入する。同25分には内田とのパス交換から鋭い反転でG・ミリートをかわし、前を向くと、そのままドリブルから左足でシュート。前田の華麗なプレーにスタンドからは大きな歓声が起こったが、シュートはゴール右に外れた。

 後半26分には岡崎、遠藤を下げてFW関口訓充、MF阿部勇樹をピッチに送り込み、2人を同時交代。関口はこれがA代表デビューとなった。同32分には香川に代えてMF中村憲剛を投入。中村がトップ下に入り、本田圭が左サイドに回った。

 1-0のまま逃げ切り態勢に入った日本にアクシデントが襲う。後半39分、突然川島がピッチに座り込む。右内転筋を痛めたとみられ、そのままGK西川周作と交代した。

 後半43分にはカウンターからハーフウェーライン付近でボールを持った前田がドリブルで独走。DF2人のチェックをものともせず、一気に約40m駆け上がると、そのまま左足でシュートを放ったが、惜しくもGKのセーブに阻まれた。

 ロスタイムは1分。後半46分、アルゼンチンはゴール前絶好の位置でFKを獲得したが、メッシのキックは壁に当たり、直後に試合終了のホイッスル。過去6戦全敗だったアルゼンチンを1-0で撃破し、ザックジャパン初陣で大金星を飾った。

(取材・文 西山紘平)

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