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体調不良の澤、故障の岩清水は選外…佐々木監督「新たな選手を見るチャンス」

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 日本サッカー協会は23日、キリンチャレンジ杯に臨む日本女子代表(なでしこジャパン)のメンバー23選手を発表した。なでしこジャパンは4月1日にユアテックスタジアム仙台でFIFAランキング1位のアメリカ女子代表、同5日にはホームズスタジアム神戸で同4位のブラジル女子代表と対戦する。

 FIFAランキング3位の日本を含め、世界のトップ4のうち3チームが一堂に会する“女子版キリン杯”。佐々木則夫監督は「経験値を与えながら、アメリカ、ブラジルという強敵だが、日本でやるからには結果もチームで意識しながらやらないといけない」と話したうえで「監督泣かせなところもある。結果も出さないといけないし、経験もさせたい。強いチームとの対戦を経験させながら強化して、それがカップ獲得につながるようがんばりたい」と決意を語った。

 8月に迫ったロンドン五輪に向け、「一つはベストメンバーのチームをつくり、もう一つは経験させるチームという考えもあった」と当初は2チームに分けて大会に臨む考えもあったが、MF澤穂希(INAC神戸)が体調不良で招集できず、DF岩清水梓(日テレ・ベレーザ)も故障で招集を見送られた。

「澤はチームでも合流していない。今度の試合は当然無理ということで、選考から外した。岩清水も先日の親善試合で故障したということで、軽傷だが、チームで治療、リハビリした方が次につながると判断した」

 主力2選手が選外となった理由を説明し、「そういうことであれば、他の選手にとってチャンスなのは間違いないし、そのチャンスを生かしてもらいたい。我々としても、そういうときは新たな選手を見られるチャンスと切り替えている」と強調。「新たな選手がどれだけできるか。そういう方向に切り替えた」と、世界屈指の強豪2チームとの対戦を通じ、チームの底上げを図る狙いを明かした。

 メンバー選考については「昨年、五輪に向けて50人の仮登録メンバーを選考した。和歌山での合宿、アルガルベ杯、今回のキリンチャレンジ杯。すべてを踏まえて、その後の選考につなげたい」と説明。2月に和歌山で行われた合宿ではなでしこジャパン以外に、なでしこチャレンジ、U-20日本女子代表候補、U-17日本女子代表候補の合計76選手が合同でキャンプを行い(メンバーはコチラ)、3月にはポルトガルで開催されたアルガルベ杯に参加した(メンバーはコチラ)。

 アルガルベ杯メンバーからはMF伊藤香菜子(日テレ・ベレーザ)、MF木龍七瀬(日テレ・ベレーザ)、FW京川舞(INAC神戸)が外れた一方、和歌山合宿に参加していたDF矢野喬子(浦和レディース)、DF南山千明(INAC神戸)、DF川村優理(新潟レディース)、DF長船加奈(仙台レディース)、MF上尾野辺めぐみ(新潟レディース)、MF中野真奈美(岡山湯郷)が復帰し、同合宿になでしこチャレンジの一員として参加していたMF上辻佑実(仙台レディース)も今回、代表初選出となった。

 ラージグループの中から最終的なロンドン五輪登録メンバー18人を選考する考えの佐々木監督。「今回、新たな選手を選考して、一人でも多くの選手がなでしこにかかわりながらチームのベースをつくっていきたい。今回入ってなくて、アルガルベや和歌山でメンバーに入っていた選手も、これからのリーグ戦に伴ってまだまだチャンスはある」と強調していた。

(取材・文 西山紘平)

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