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名古屋、ラストワンプレーで白星スルリ…俊輔圧巻FKで横浜FMがドローに持ち込む

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[10.27 J1第30節 名古屋1-1横浜FM 豊田ス]

 J1も今節を含め残り5節となった。優勝争いは広島と仙台が勝ち点で抜け出しているが、来季ACL出場圏内の3位を目指す戦いは熾烈を極めている。豊田スタジアムでは、6位の名古屋グランパスと7位の横浜F・マリノスの試合が行われた。お互い勝ち点3を目指す激しい試合展開となったが、1-1のドローに終わり、勝ち点1ずつを分け合った。FW玉田圭司のゴールで先制した名古屋だったが、後半ロスタイムにMF中村俊輔の芸術的なFKがゴールネットを揺らした。だが3位の浦和もC大阪と引き分けたため、名古屋と浦和の勝ち点差は3のままとなっている。

 これが中村俊輔の真骨頂だ。1点ビハインドで迎えた後半ロスタイム。横浜FMはPA外のやや左の位置でFKを獲得する。ロスタイムは目安の4分を超えていたが、中村はゆっくりと慎重にボールをセットする。目の前には名古屋の誇る高い壁。しかし中村の狙い澄ましたシュートは壁の右端に立ったDF田中マルクス闘莉王の頭上をかすめ、左ポストの内側を叩きゴールネットを揺らした。GK楢崎正剛も懸命の手を伸ばしたがわずかに届かず。名古屋のほとんどの選手ががっくりとしゃがみ込む中、次のプレーが再開されることなく終了のホイッスルがなった。

 前半から攻防は激しかった。接触プレーも多く、名古屋は前半37分にDF石櫃洋祐が玉田との交代を余儀なくされた。前半終了間際にもDF阿部翔平が担架で担ぎ出されるなど、勝ち点3をめぐる攻防は激しさを増していった。

 我慢比べが続いていたが、後半42分、ようやく均衡が破れる。この試合でもFWの位置に入った闘莉王が右サイドを走るFW永井謙佑にスルーパス。永井のシュートはGK榎本哲也が弾くが、こぼれ球にMF田口泰士が詰める。栗原がなんとか体に当てるが、最後は玉田が押し込んだ。玉田の6試合ぶりとなる今季5得点目で名古屋が待望の先制に成功した。

 だがロスタイムの悲劇。失点につながるファウルを犯したMF吉田眞紀人をすぐさま闘莉王が叱責。最後まで気合を入れるようチームメイトを鼓舞したが、悪い予感が当たってしまった。

 両チームとも負ければACL出場権争いからも脱落するゲームだっただけに、お互いが可能性を残す結果となった。だが終盤に追いついた横浜FMに比べ、終了後に名古屋のストイコビッチ監督含め、選手全員が立ち上がれなかった姿をみると、名古屋にとっては今後に響きかねない結果となってしまった。

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