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福島へ届ける初V、広島MF高萩「一歩でも前に進む気持ちに…」

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[11.24 J1第33節 広島4-1C大阪 広島ビ]

 被災地に想いを届ける初優勝だった。前半17分に豪快な左足ミドルで先制点を決めたサンフレッチェ広島のMF高萩洋次郎は「とにかく先制ゴールが欲しかった。思い切って打ったけど、大事な試合で点が取れてうれしい」と白い歯をこぼした。

 福島県いわき市出身の高萩にとって、広島のJ1初制覇には特別な思いがあった。「僕は被災地出身で、震災後もずっと被災地のために何かできないか、勇気を与えたいという気持ちでやってきた。でも、個人としてそれが達成できているのかと言うと、伝わっているのかどうか分からなかった」。昨年3月の東日本大震災後では津波により実家も被災。復興途上にある地元の力に少しでもなれればと、支援活動を継続的に続けている。

「優勝という結果を出してたくさんの人に知ってもらうことで、何か伝わるのではないかと思って……。いろんな思いが込み上げてきた」。試合後はピッチ上で涙した高萩。「福島ではまだたくさんの人が大変な思いをしている。なかなか元には戻らないと思うけど、今日のようなものが被災地のみなさんに伝わって、みんなが一歩でも前に進もうという気持ちになってくれれば」と、優勝に込めた思いを語っていた。

(取材・文 西山紘平)

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