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東京Vから湘南に加入のMF梶川「最初から強い気持ちで」

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 早くもチームに溶け込んでいた。「ヴェルディ時代と変わらずに、イジられキャラは継続している感じですね」と、東京Vから湘南ベルマーレに加入したMF梶川諒太は苦笑する。J1に昇格したクラブの雰囲気の良さを、梶川は始動3日目にして強く感じていた。「すごく若い選手が多くて、ヴェルディでは同い年の選手もいなかったのですが、今はいるのでそういう面でもやりやすいですね。すごくみんなも話しかけてくれるので」と、笑顔を見せる。

 東京Vから湘南への移籍を決断した理由は、何だったのか。「やっぱりJ1でプレーできることは大きかったです。大卒2年目で、もう決して若いわけでもありません。若手っていう年代ではないので、自分を高めるために、そういう舞台にチャレンジすることが大事だと思い決断しました。焦りがあるわけではありませんが、自分で自分のケツを叩いてというか、厳しくやらないとこの世界はいつ切られるかわからないので」と、厳しい環境を選んだ結果だと明かした。

 実際に、厳しい競争が待ち受けている。昨シーズン、J2を2位で終えた湘南の中盤には運動量が多く勢いのある若手、経験豊富なベテランがそろっている。昨季、選手を固定せずに戦い結果を出したチョウ・キジェ監督は「質の高い選手がそろった」と喜んだが、今季も定位置をつかむことは、容易なことではない。だが、ポジション争いは、クラブを問わず、どこにでもあることと梶川は言う。「ヴェルディに残っていたとしても、今年はチームがすごく変わって、ポジション争いはあったと思います。どこに行っても、変わらないことだと思うので、良い意味で切磋琢磨していきたい。ポジションを奪うために、最初から強い気持ちでやっていきたいです」と、意気込みを語った。

 この日の会見で梶川は、チョウ・キジェ監督の隣に座った。指揮官は「オフにイタリアに指導者研修で行きました。決してワインを飲みに行っていたわけではありません」などと、何度か笑いをとろうとした。しかし、壇上の選手たちの反応は冷ややかで、チョウ監督は隣にいた梶川に「笑えよ。笑わないと話のリズムができないんだよ」と、注文を付けた。会見では指揮官へのアピールに失敗した形だが、「引っ越しもすべて終わりましたし、準備は万全です」と、ピッチ内でのアピールに意欲を見せた。

「J1で自分がどれだけできるかは全然わかりませんが、J2でも1シーズン、多くの試合に出て経験できたことは大きかったので、どんどんチャレンジしていきたいです。みんなとコミュニケーションをとって、自分の良さをどんどん出していきたい。昨年プレーしていた選手たちはお互いの特徴をわかっていると思いますが、自分はゼロからです。自分がどういうプレーをするのかを知ってもらって、自分もどういう選手がいるかをわかっていかないといけないので、最初から思い切りやっていきたいです」と、失敗を恐れずにスタートから全力を尽くすことを宣言した。

(取材・文 河合拓)

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