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終盤の2ゴールでF東京に追い付き、浦和が公式戦10戦無敗に

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[7.10 J1第15節 浦和2-2F東京 埼玉]

 J1は10日、第15節を各地で行い、2位の浦和レッズはホームで8位のFC東京と対戦した。前半11分にMF三田啓貴のJ初ゴールで先制したF東京は、後半11分にも三田のパスを受けたMF長谷川アーリアジャスールが追加点を決めて、リードを広げた。しかし、埼玉スタジアムのリーグ戦では03年7月以来10年間、F東京に負けていない浦和も意地を見せる。後半36分、FW興梠慎三のゴールで1点を返すと、同41分にはMF原口元気のゴールで試合を振り出しに戻す。このまま試合は2-2で終了。終盤に追いついた浦和は5月以降のリーグ戦無敗をキープしたが、追いつかれたF東京は3試合ぶりの勝利を逃す手痛い結果となった。

 浦和は4日前に行われた前節の甲府戦(1-0)と同じスタメンで試合に臨んだ。対するF東京は、FW渡邉千真が負傷から復帰。DF加賀健一の出場停止に伴い、チャン・ヒョンスが最終ラインに戻り、コンフェデレーションズカップの日本代表に選出されてチームを離れていたMF高橋秀人もスタメンに復帰した。
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 低い位置から丁寧にボールをつなぐサッカーを志す両チームの激突は、早い時間帯にスコアが動く。前半11分、浦和のMF鈴木啓太の横パスを、FW渡邉千真がカット。ドリブルで前に運び、右サイドの三田にパス。三田は中に切り込んで、得意の左足でシュートを放つ。これがMF阿部勇樹の股下を通ると、わずかに右足に当たったボールはニアサイドを抜けてゴールに決まり、F東京が1点を先制した。

 浦和は前半14分にも、興梠のバックパスが渡邉に渡ってしまい、ピンチを迎える。ここは渡邉のパスがズレて事なきを得たが、なかなかリズムをつかめない。そんな展開を変えようと、MF原口元気が仕掛ける。同16分、ゴール正面、やや左寄りの位置から中にボールを運び、右足でシュートを放ったが、ボールはクロスバーを越えて行った。

 その後もF東京は中盤でMF米本拓司のボール奪取力が光り、浦和に高い位置までボールを運ばせない。前半30分、浦和は左サイドからMF梅崎司がアーリークロスを入れる。これをDFがクリアーしたボールをDF槙野智章がダイレクトでシュートしたが、枠を捉えることはできなかった。

 前半33分には浦和が再び自陣でミスを犯す。ハイボールをDF森脇良太がトラップミス。これを渡邉に奪われると、今季9得点と好調のストライカーは迷わずにシュート。しかし、これはGK加藤順大が枠外へと弾き出した。同35分には浦和も決定機をつくる。左サイドから柏木がアーリークロスを入れると、両CBの間にポジションをとった興梠がフリーでヘッド。鋭いシュートが枠に飛んだが、これはF東京のGK権田修一がガッチリとキャッチした。

 セットプレーからシュートを放てるようになった浦和は、前半43分にも阿部の糸を引くようなサイドチェンジが右サイドのMF平川忠亮に通る。平川が縦に仕掛けてクロスを入れたが、DFにブロックされた。これで得たCKをニアサイドで槙野が競り勝つ。ファーに流れたシュート性のボールに興梠も飛び込んだが、わずかに合わず。ロスタイムには原口がドリブルからF東京ゴールを強襲したが、これもGK権田に阻まれた。このままF東京の1点リードで前半を折り返した。

 後半の立ち上がり、中盤で激しいつぶし合いが続く。後半10分には浦和が鈴木をベンチに下げて、MFマルシオ・リシャルデスを起用する。その直後だった。中盤で高橋が相手と競り合いボールがこぼれると、これを三田が前線の渡邉につなぐ。右に流れた渡邉が中央に折り返すと、走り込んだ三田がダイレクトで左の長谷川に展開。PA内に入り込んだ長谷川は、落ち着いてDFをかわすとシュートをゴールに送り込み、F東京がリードを2点に広げている。

 後半21分にはGK加藤のキックミスから、F東京がフィニッシュに持ち込む。しかし、渡邉の渾身のシュートは、GK加藤が横っ飛びでパンチングして3点目は許さなかった。後半24分に浦和は平川を下げて、MF宇賀神友弥をピッチに送り出す。さらに浦和は同29分、梅崎を下げてMF関口訓充を起用して交代カードを使い切った。同31分にF東京も東を下げて、MFルーカスを投入した。

 終盤、浦和も意地を見せる。後半36分に原口からのパスを受けた興梠が、鋭いターンでDFを振り切り、PA内にボールを運ぶ。そのままシュートを決めて1点差に詰め寄った。その後も浦和は厚みのある攻撃を見せて、F東京を押し込み続ける。同41分には原口が高橋を振り切り、長谷川が寄せて来る前に左足を一閃。これがゴール右に決まり、浦和が同点に追い付いた。

 勢いづく浦和は同43分にも関口がミドルシュートを放ったが、これはゴール左に外れて行った。F東京は43分、渡邉を下げて、MF石川直宏を起用。さらに長谷川も下げて、MFネマニャ・ブチチェビッチを起用する。しかし、5分間のロスタイムを終えてもスコアは動かずに、両チーム勝ち点1を分け合った。

(取材・文 河合拓)

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