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0-0の後半13分に交代したカズ「体力も、気持ちも、もうちょっとは行ける」

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[8.4 J2第27節横浜FC1-2北九州 ニッパ球]

 0-0で迎えた後半13分、横浜FCのベンチが動いた。交代となったのはFW三浦知良だった。両チームともゴール前で堅い守りを見せて、ゲームは拮抗していた。その中でカズは、攻撃に変化を付けていた。前半22分には左サイドでルーレットを見せて相手を抜き、ゴール前にクロスを入れる。その後も角度を付けたパスを前に送って、再びボールを受け直すなど、引いた相手に対して効果的なプレーを見せていた。

 この試合、最初の交代カードでカズを代えた理由について、山口素弘監督は「相手の最終ラインが黒津の速さだったりを警戒して、間が空いてきましたので。野崎は練習からも非常に調子が良かったので、そのままあそこに入れて、間でポイントになったり、仕掛けたりというところをやってくれと伝えました」と、説明している。

 だが、カズがベンチに下がったことで対応しやすくなった、とギラヴァンツ北九州のDF前田和哉は振り返る。「助かりました。自由に動かれていたので、そこのマークというところと、パスの出所に関しては、(マークに付けず)浮いていたりしたので」。

 選手交代については、結果論でしか語れない。この試合ではカズの交代後、先に2点を決められた。今季6試合目の先発出場を果たしたカズだが、フル出場はない。このところは判で押したように、後半15分前後で交代している。46歳の大ベテランに、90分のプレーを望むのは難しいかもしれないが、この試合は前半にカウンターのチャンスでボールコントロールミスをするなど、精彩を欠いていたFW黒津勝を先に代えるなどの手もあったのではないだろうか。

 練習試合ではフル出場することもあるカズは、「自分自身は、最後まで出ていたいと思っていますが、先発で出たときも90分プレーすることを頭に入れて、エネルギーを残しながらプレーしようとは思っていません。練習試合もそうですが、常に行けるところまでいこうという気持ちでやっています」と言う。

 同時に、もう少しプレーしたいという本音ものぞかせた。「ここ何試合か先発している中で、大体、約60分で交代していると思います。そこから『まだまだもうちょっとは行けるな』と、体力も、気持ちもある中で、交代していることが多いとは思います。でも、交代に関しては監督に任せているので、何とも言いにくいですが、『そこからが勝負だな』というのは、選手としても、FWとしても、ありますけどね」と、悔しさも口にした。

(取材・文 河合拓)

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