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ニア破る技ありの先制点、憲剛「シュートを打たないと始まらない」

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[9.14 J1第25節 川崎F2-0広島 等々力]

 背番号14の技ありの一撃で川崎フロンターレが試合の主導権を握った。前半10分、DF田中裕介が右サイドから相手選手2人の間を突破し、中に切れ込む。スルーパスに反応したMF中村憲剛はPA内右の角度のない位置からシュートを狙い、ニアサイドを破った。

「どうしようかなと思った。マイナス(の折り返し)か、GK(とDF)の間を抜くか。マイナスにGKの意識がいっているかなと思ったし、(ニアが)空いているように見えたので打った」

 折り返しを警戒し、わずかに前にポジションを取っていたGK西川周作の位置を見逃さなかった。GKとニアポストの間の狭いスペースを打ち抜くシュート。2試合ぶり今季7得点目の先制点に「シュートを打たないと始まらないので」と胸を張った。

 対広島戦は昨季から3連敗中。いずれも先制を許し、1-4、0-3、2-4と大量失点での敗戦が続いていた。「先制されて相手のゆっくりしたペースにハマって、加点されて負けていた。先に点を取って自分たちの流れにできたのが大きかった」。前半アディショナルタイムの追加点も中村のプレーが起点になった。

 中盤でFW森谷賢太郎から横パスを受けようとしたところで背後からDF水本裕貴のプレッシャーを感じた。「後ろにミズ(水本)がいるのは分かっていたし、背中越しにレナトがいるのも見えていた。(森谷)賢太郎からのボールも速かったし、これは触らないほうがいいと思って、思い切ってスルーしたのがよかった」。水本の中村に対するチャージはファウルだったが、山本雄大主審はアドバンテージを適用。ボールはFWレナトにつながり、そのままカウンターで追加点を奪った。

 後半15分のレナトのPKは西川のセーブに阻まれたが、守備陣は2試合連続の無失点に抑え、2-0の完封勝利。上位陣がもたつく中、首位・横浜FMとの勝ち点差は「9」になった。「今日勝つか負けるかで全然違う。でも、次負けたら意味がない。またホームでやれるし、簡単に負けないチームになってきている」。ナビスコ杯準決勝第1戦でも浦和に先勝し、悲願のタイトル獲得へ意気の上がる川崎F。その中心にいるのは、「今が『最高の中村憲剛』」と言い切る背番号14だ。

(取材・文 西山紘平)

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