beacon

赤いユニフォームをまとったMF青木拓矢「似合っていると思います」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 サポーターの前で挨拶をしようとしたMF青木拓矢の表情は、少し強張っていた。「大宮アルディージャから来ました。青木拓矢です」。恐縮しながら、そう言い終わると、会場からは温かい笑いと、拍手が起こった。

 同じさいたま市を本拠地とするライバルクラブ間での『禁断の移籍』。大宮の中心選手として昨シーズンも28試合に出場し、4ゴールを挙げていた青木も、その意味を分かっている。移籍する際、浦和レッズからは、大宮時代と同じ背番号6を付けることを提案されていたという。浦和の6番と言えば、20年にわたって浦和一筋でプレーしてきたMF山田暢久が11シーズン付けてきたチームを象徴する番号だ。しかし、「やっぱり大宮から来たということもありましたし、遠慮しました」と断り、16番を付けることにしたという。

 移籍の決め手となったのは、タイトルへの強い意欲だったという。「僕はビッグクラブでチャレンジしたいという気持ちが強まったことが、浦和レッズに来た理由です。やっぱり勝たないといけないチームだと思うので、勝ちにこだわるプレーをしていきたいなと思います」。背番号6は、MF山田直輝に譲る形になった青木だが、ボランチのポジションを譲る気はない。日本代表経験者でもあるMF阿部勇樹、MF鈴木啓太とポジションを争うことになるが、「ボランチで勝負したい」と言い切った。

 初めて赤いユニフォームに袖を通した青木は、サポーターから「似合っている」と声を掛けられ、「僕も似合っていると思います」と、はにかんだ。だが、まだ本当の意味でファン・サポーターから受け入れられてはいないと自覚する。「まだ試合が始まらないとっていう風に、個人的には思っています」と言い、チームの始動日となる明日に向けて、気を引き締めた。

(取材・文 河合拓)

▼関連リンク
2014年Jリーグ移籍情報ページ

TOP