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鹿島がF東京戦の複数判定について意見書を提出へ

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[7.19 J1第15節 F東京1-1鹿島 味スタ]

 W杯の中断明けの一戦を、楽しみにしていた人は多いだろう。FC東京鹿島アントラーズは、見応えのある一戦になった一方で、判定に後味の悪さが残る試合にもなった。審判団が退場する際には、F東京サポーターからブーイングが飛んだ。さらに、鹿島の関係者も、Jリーグに意見書を提出する意向を示した。

 試合後、取材に応じた鹿島の鈴木満常務取締役強化部長は、前半4分にDF昌子源がFWエドゥと正対した状況でのファウルに警告が出されたこと、後半10分にMF小笠原満男が倒れていたときに、FW河野広貴に踏みつけられたシーンなど、複数の場面について言及している。

 両チームにとって納得のできない判定が多かったが、結果に直結したのは鹿島に対する判定だった。後半15分、F東京の先制点につながった場面では、PA内でFWダヴィとDF森重真人がもつれ合い、両者が倒れた後にF東京のDFがボールをクリアー。鹿島の両CBは、CKから試合が再開されると思い、ゴール前に上がって行った。ところが、山本雄大主審は、ダヴィのファウルを取ったのか、オフサイドと判定したのか、F東京のFKから試合を再開。ここからボールを前線に運んだF東京が、2次攻撃を先制点につなげた。

 さらに、後半35分にはロングボールに対してFW豊川雄太がDF徳永悠平と並走。ゴール前で浮き球に対してジャンプすると、徳永の頭に当たったボールは、F東京ゴールに転がり込んだ。しかし、競り合った際に豊川のあげていた手がボールに当たったと判定されて、同点ゴールは認められなかった。

 この日から審判員の無線通信システムが導入され、主審と副審は遠い距離にいてもコミュニケーションをとれるようになっていた。山本主審は国際審判であり、過去にも無線システムを着用して試合を裁いた経験があるはずだが、不慣れな状況に戸惑いもあったのか、結果的に両チームのフラストレーションを溜めることになってしまった。

 メディアは試合後に審判員から話を聞くことができないため、どういう状況だったかは分からない。また、意見書などを受けた審判員に処分があったとしても、選手やスタッフと異なり、そのことは公にされない。鈴木氏は、「以前は学校の先生がやっていたり、公務員がやっていたり、(審判は)アマチュアだった。職場での立場などを考慮して、処分についての公表はできないということだった。でも、今はレフェリーもプロだから。選手と同じように生活をかけてやっているわけだから。もっとそういうことをオープンにできたら、お互いが、より納得できるようになると思う」と、時代に合わせたルール変更の必要性も訴えた。

(取材・文 河合拓)

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