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スーパーゴールの大宮FW家長「終わった試合に興味はない」

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[6.21 J2第19節 横浜FC0-3大宮 ニッパ球]

 対戦相手の横浜FCのDF野上結貴も脱帽した。「今日は、どのゴールもスーパーゴールだったけど、特にあの家長選手のゴールは、なかなかJ2では見られないシュートだったと思う」と、唇をかんだ。

 2-0で迎えた後半13分、MF泉澤仁からのパスを受けたMF家長昭博は、左足を振り抜き、強烈なシュートを叩き込んだ。チームは18節を終えてリーグ最多タイの29得点を挙げていたが、家長自身は開幕戦の金沢戦(1-0)以降、得点から遠ざかっていた。「チームの結果が出ていましたし、個人のことは僕の中でフォーカスすればいい」。そう話す41番は、黙々とシュート練習に取り組み、この日のゴールにつなげた。

 大宮の攻撃は、家長を中心にまわっている。それでも、家長自身は定位置は約束されていないと強調する。「足りないところは、勝っても負けてもある。そこを反省しながらやらないといけないし、結果を出さないと試合に出してもらえないのは分かっているので、まだまだです」。

 家長の今季2点目もあり、大宮は横浜FCに快勝。5試合連続完封勝利で13試合無敗とした。しかし、そうした記録にも家長は固執しない。「あまり気にしていないですね。また来週試合があるので、しっかり戦うだけ。終わった試合には、正直あまり興味がない。何連勝だとか、何戦負けなしとか、そんなに興味がありません。J1昇格に向けても、まだまだ先が長いし、(J1昇格に近づいたと考えるのも)面倒くさいというか(笑)、あまり考えても意味がないので。また明日も練習があるので、しっかり休んで、またしっかり練習に取り組もうと思います」と、前だけを見据える。

 今月13日に29歳となった家長のストイックな姿勢は、チームにもプラスに作用しているのだろう。29歳の抱負を問われると、「サッカー選手なので1年というより、1シーズン単位で考えますけど、今シーズンはJ2で優勝して、J1に上がらないといけない。個人的にもJ2で攻撃する回数も増えているので、攻撃のクオリティを高めるチャンスだと思うし、そういうところは、もっと成長しないといけない」と話す。2位との勝ち点差を7に広げた大宮に、この意識が浸透すれば、他チームがつけ込む隙は、なかなか生じないだろう。

(取材・文 河合拓)

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