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2年前、降格決定の地で残留を決めた湘南 DF遠藤「これが最大目標ではない」

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[10.17 J1第2ステージ 第14節 F東京1-2湘南 味スタ]

 2年前、J1第32節で湘南ベルマーレFC東京に敗れてJ2の降格が決定した。昨季はJ2で、圧倒的な強さを見せて第36節でJ2優勝を決めた。いずれも舞台となったのは、味の素スタジアムだった。

 J1残留確定まで勝ち点1に迫っていた中で、湘南はF東京に2-1で勝利。勝ち点3をつかみ、2年前に悔し涙を流した場所で、J1残留を確定させた。

 DFアンドレ・バイアの負傷を受け、前半10分から3CBの中央に入ったDF遠藤航は、「味スタという場所が、感慨を深めてくれた。ここで降格もしているし、ここで残留を決められたということは、借りを返すというわけではありませんが、意識することはありました。でも、これが最大目標ではないので。自分たちはもっと上を目指さないといけません。ただ、残留が最大目標ではないと言えるところが、自分たちの成長してきた部分だと思います」と、胸を張った。

 相手の長所を消しながら戦うことができた。守備では切り替えを早くし、F東京に速攻を許さない。ボールを奪ってからは、F東京の武器であるDF太田宏介が攻め上がったスペースを突いた。

「今日は、守備に回ることをイメージしていました。『自分たちがボールを持った方が、相手のリズムだ』と監督からは言われていました。(F東京は)ボールを動かしているときにブロックを敷いて、相手を引きこんで奪ってカウンターが武器だと思うので、逆に自分たちが相手を引きこんでカウンターを狙うことを話していました。前からプレスを掛けたり、奪ってショートカウンターは常に狙いますが、後半は1点リードしていたこともあって、『引きこんでカウンターを狙うのは戦術としてありだよ』ということは、監督にも言われました。ちょっと失点が早かったですが、2点目を右からのクロスで取れたことは良かったです。2点目取れれば、1失点で抑えられる自信は付いてきています」

 この試合を終えて、湘南は年間順位で8位に浮上した。残り3節は、鹿島、新潟、広島と対戦。いずれもプレーオフ進出、残留を争っている相手だ。「自分たちのやって来た『湘南スタイル』というところのクオリティは上がっていると思います。球際の強さ、カウンターの精度、ボールを動かして崩すこともチームとしてやれていると思います。あとはゴール前でやらせない粘り強さ、先制されても追い付ける力とか、そこは2年前と比べても成長していると思います。あとはもう、どれだけ上位にいけるか。そこは意識して、次もしっかりホームで勝ち点3を取れるようにしたい」。2年前からの成長を目に見える結果という形で出した湘南の挑戦は、まだまだ続く。

(取材・文 河合拓)

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