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最終節直前、マグノアウベス秘話

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 前節・京都戦でのハットトリックで得点王首位に立ち、最終節にまで浦和とのJ1優勝争いをもつれ込ませた、G大阪のマグノアウベス。彼の魅力はサッカーのプレーだけでなく、情の厚さにあると言われている。
 「こんなにたくさん来てくれてびっくりで、うれしく思っている。サポーターを一生忘れない」大分からG大阪に移籍が決定したマグノアウベスが、今年の1月26日、お別れの会見に駆けつけた沢山のサポーターを見て感動し、涙ながらに言った。さらに大分空港でも沢山のサポーターが駆けつけ、最後まで声援は鳴り止まなかったという。彼は大分サポーターに、とても愛されていた。05年のシーズン後半、大分の降格危機の際もチームを救うゴールを連発し、残留の立役者となる。大分は財政難からマグノアウベスを手放さなくてならず、06年よりG大阪への移籍が決まる。大分との契約期間が残っていた為に、移籍金が大分に入る事に。マグノアウベスは「私を売る事で大分に金が入るなら、それでいい」とチームのことを最後まで想っていたという。
 そんな“いいひと”のマグノアウベスの秘密は、過去の大きな出来事にあった。昔はブラジリアンらしく、夜な夜な遊びまわるというような生活をしていたという。しかし、そのような生活の中で交通事故により実弟を亡くしてしまう。本人は軽傷で助かったのだが、その事故の原因が遊び回っていた自分にあると彼は考え、その後悔から生活は一変し、ストイックな生活を送り、サッカーに対しても真面目になったというのだ。
G大阪が浦和を押さえ優勝するには、3点以上の差をつけて勝たなければならない。そのためにはマグノアウベスの得点力が不可欠となるだろう。
 
(文 武澤伸昭)

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