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指示の逆を行く自己判断…投入直後に同点弾の栃木FW大島「やれる自信あった」

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同点ゴールを決めた栃木FW大島康樹

[3.16 J2第4節 東京V 2-3 栃木 味スタ]

 劇的勝利への流れを作った。栃木SCは1-2の後半27分、FW大島康樹とDF久富良輔を同時にピッチへ送り出す2枚替えを敢行。直後に久富のアシストから大島が同点弾を決めると、終盤にはFW西谷和希の決勝ゴールが生まれた。加入後初出場で初得点をマークした大島が、逆転を呼び込むきっかけにもなった自己判断を明かしている。

 柏U-18出身の大島は2015年に同期のDF中山雄太(ズウォレ)とともにトップチームに昇格した。だが、翌2016年までJ1リーグ戦の通算出場数は3にとどまり、同年8月にJ3富山へ期限付き移籍。2017年に柏へ復帰したが、リーグ戦の出場機会がないままシーズン終了後に退団し、2018年に栃木へ完全移籍した。栃木加入と同時に期限付き移籍したJ3群馬では、キャリアハイのリーグ戦29試合に出場し、こちらも自己最多の10得点をマーク。今季復帰した栃木で自身初となるJ2の舞台に臨んでいた。

 開幕から2試合はメンバー外となり、前節もベンチ入りしながら出番はなし。新天地デビューは東京V戦の後半27分だった。試合は1点のビハインド。「アグレッシブにチームを活性化させるために意識して、トミくん(久富)と『やってやろうぜ』と言っていた」。2人の投入を機に栃木は3バックから4バックに変更。大島はFW大黒将志とともに前線に並び、同時投入の久富は左サイドバックに入った。

 田坂和昭監督からは守備時にトップ下へ降り、相手のボランチを見張るように言われたという大島だが、「ピッチに入ったら後ろの選手から『どんどん行け行け』と言われた」こともあり、「自分の判断でセンターバックにプレッシャーに行ったり、ボランチをケアしたり、考えながらやった」と、状況を見ながら自らの判断でプレーしたと振り返る。

 チーム全体で前への圧力を強めたことが結果的に奏功し、後半32分に同点ゴールが生まれた。MF寺田紳一のミドルシュートがDFに当たると、転がったボールが向かう左サイドにいたのは久富。「(久富と)同時にピッチに入ったので『(クロスを)送ってあげるから(中央に)入ってきて』と言われていた」(大島)。事前の打ち合わせ通り、PA内中央で待っていた22歳FWは右足のアウトで巧みにコースを変え、ゴール右に流し込んだ。

 チームは後半42分にもカウンターから西谷和希が決め、3-2で逆転勝利。開幕4戦目にして今季初白星を手にした。「J2という舞台は初めてでしたが、やれるという自信もありました。結果につながってよかったです。コンスタントに点を取りたいですし、出場もしたいので、また明日から準備するだけです」。大島と栃木の逆襲はここから始まる。

(取材・文 阿部哲也)
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