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SB転向、5kg増量、初のフル出場…町田の18歳MF佐野海舟「分からないじゃ済まされない」

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左右のサイドバックとしてフル出場したFC町田ゼルビアDF佐野海舟

[5.19 J2第14節 町田2-2京都 町田]

 米子北高時代は世代屈指の守備的MFとして名を馳せたFC町田ゼルビアMF佐野海舟はプロ1年目の今季、サイドバックでの起用が続いている。「やり始めて全然経ってないけど、分からないじゃ済まされない」。かつては日本代表にまで上り詰めた指揮官の薫陶を受けつつ、新たな挑戦を前向きに受け入れているようだ。

 5月5日のJ2第12節・水戸戦(●0-2)でプロ初出場を果たした佐野は19日、「デビュー戦よりは緊張せずにうまく試合に入れた」というJ2第14節・京都戦(△2-2)で初めてのフル出場を果たした。しかし、自身のパフォーマンスには満足できず。「90分間とおして安定したプレーはできていないし、90分間安定しないと次はない」と振り返った。

 とりわけ悔いが残ったのは後半37分の失点シーンだ。自らがボールを奪われたところから相手のカウンターが発動。「味方が疲れていたので時間を作れればいいと思った」と戦略的に動いたつもりではあったが、1点リードの状況での失点に「あそこでああいったことをしなければ勝っていた」と悔しそうに述べた。

 もっとも、同じ右サイドでコンビを組んだMF戸高弘貴が「1対1に強いし、ボールを持つのがうまい。練習どおりにやれていると思った」と語ったように、それ以外のシーンでは安定したパフォーマンスを披露。相手の強力なアタッカー陣に抜かれる場面もあったが、しぶとく食い下がるカバーリングが効いていた。

「みんなが頑張っている中で勝ち点3が来ない。何も知らないから出てくるパワーを期待した。彼一枚が変わっただけだが、周りの意識も変化も含めてチームに良い影響があるのではないかと送り出した」。相馬直樹監督は試合後、起用の理由をそのように述べていたが、その狙いはある程度ピッチ上にも反映されていたはずだ。

 もっとも、フレッシュさだけで勝負していくつもりはない。「ポジショニングだったり、クロスだったり、攻撃的なサイドバックがゼルビア」とクラブカラーを胸に刻む18歳は「攻撃的に行ったり、クロスの精度をもっと出せれば」と自身に要求。「まだもがいている状況。完璧ではないので、まだまだ全然」と現状の立ち位置を語る。

 かつて日本代表のサイドバックを担った相馬監督からは「上がるタイミング」や「相手の重心を見たり、わざとつったり」という駆け引きを指導されている模様。「ずっと意識していなかったが、タイミングだけで相手をはがせる。前に上がればいいと思っていたけど、上がるタイミングはよく言われる」と述べ、新たなプレーを学びつつあるようだ。

「プロの基準にいち早く持っていくように努力した」という佐野にとって、フィジカルの強化もその一環だ。町田に加入して以降、体重はすでに5kgも増量。「高校では機具を使ったトレーニングはやってなかったけどやるようになった。どうやるとどこの筋肉がつくかを考えるようになった」と手応えも語った。

 この日は日本代表の森保一監督が試合を視察した。「レベル的には全然」と意識はしなかったというが、「チャンスが来れば狙いたい」と“日の丸”への意識は隠さない。「試合に出ないと注目されないし、試合に出続けることが目標」。18歳のキャリアは始まったばかり。まずは与えられたポジションで成長を遂げ、プロの荒波を突き進んでいく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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