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大宮ルーキー吉永昇偉が初フル出場、直面した「悔しさ」と「幸せ」

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大宮の大型ルーキー吉永昇偉

 ジュニア時代から大宮アルディージャでプレーする生え抜きの大型ルーキー吉永昇偉(よしなが・しょうい)が直近16試合無敗で2位を走るチームで先発出場を続けている。

 初陣は5月26日のJ2第15節柏戦だった。負傷したDF山越康平に代わって緊急出場し、右ウイングバックの位置でプロデビューを飾ると、6月2日の第16節福岡戦からは左ウイングバックでスタメン入り。徐々に出場時間を伸ばし、先発5試合目となった6月29日の第20節金沢戦で初のフル出場を果たした。

「前節、悔しい思いをしたあとの試合だったので、フルで出たかった。足をつってしまったところはまだ自分の甘さだと思いますが、90分出られたことは自信になりました」

「悔しい思いをした」という東京V戦はスコアレスドローだった。つまり、チームが負けたわけでも、吉永が失点につながるような大きなミスをしたわけでもない。しかし、試合後は驚くほど落胆した様子でミックスゾーンに現れ、「人生で一番悔しい試合だった。(小中高と)勝った試合、負けた試合、いろんな試合があったけど、引き分けたこの試合が一番悔しい」と言葉を振り絞った。

 悔やんだのはシュートを打てる場面で打たず、バックパスなど消極的なプレーを選択してしまったこと。その背景には危機感があった。負傷した選手が練習に復帰し、「自分のポジションがなくなってしまう」と力んでしまった影響もあったのだろう。

 一週間後はそうした反省点を修正した。バックパスではなくクロスを選択し、積極的な姿勢を貫徹。後半22分に左から右ウイングバックに移り、初のフル出場を果たした。「こうして使ってもらっているので期待に応えないといけない。そろそろゴールやアシストで目に見える結果を出していきたい」。起用を続ける高木琢也監督からの期待も十分に理解している。

 ユース時代はFWとして活躍し、高校3年だった昨年の日本クラブユースサッカー選手権大会で6ゴールを挙げ、得点王に輝いた。ここまで出番を得ているのはウイングバックの位置だが、「出してもらっているポジションが僕のポジション」と言い切る。

 昨年、球際を強化するためにチームとして筋トレを増やして体を大きくし、現在は175cm73kg。対人守備も持ち味のひとつで、「1対1の場面で止めた時は、点を取った時くらいうれしい」と声を弾ませる。「小学生の頃からやらせてもらっているこのクラブで試合に出られることが今は幸せです。J1に上がれるように貢献したい」とまっすぐに語った。

(取材・文 佐藤亜希子)

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