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[戦評]良さと悪さの両面を見せた浦和の守備(千葉vs浦和)

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[10.20 J1第29節 千葉 2-4 浦和 フクアリ]

田村修一の「視点」

 前半の浦和は完ぺきだった。特に守備での間合いのつめ方が凄くうまかった。前に出て相手の形を作らせない守備。プレスというより相手にボールを渡さないサッカーをしていた。ボールをもたれても相手の前にうまく立ったり、パスコースを消して攻撃の形を作らせなかった。これで千葉は簡単にパスを出せなくなり劣勢に。千葉はもともと技術はそれほど高くないから、スペースやパスの出しどころを消されると打開する術がなかった。そして浦和はシンプルに攻めて得点をとった。2点を決めたワシントンの威圧感はレベルが違う。前半38分の2点目はポンテからクロスが入ると千葉はわかっていたはずなのに止められなかった。そういう形、得点パターンを持っているチームはやはり強い。
 ただ、強さを見せ付けた浦和にも問題点はある。守備でイニシアチブを取ることができないことを後半に露呈したからだ。後半4分に3点目を奪ったあとは、前半のような前へ出る守備が影を潜め、引いてしまって2点を取られた。決して千葉が巧く攻めていた訳ではないのに、押し込まれて危ない場面を作られた。3-2から山岸に押し込まれた場面がオフサイドでなかったら負けていたかもしれない。カタールに逆転負けしたU-22日本代表もそうだったが、守りにいって守りきるサッカーは浦和でもできない。守るための連携も不足。浦和は前半のような前に出て相手に形を作らせないサッカーに徹したほうがいい。

(取材・フットボールアナリスト田村修一)

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