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[戦評]劣勢でも崩れなかった浦和(浦和vs名古屋)

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[10.28 J1第30節 浦和 0-0 名古屋 埼玉]

 この日の浦和に勢いはなかった。延長を含む120分間、そしてPK戦の末、勝利を決めた城南一和(韓国)とのACL準決勝第2戦(24日)からわずか4日。疲労からかチーム全体的に足取りが重い浦和は、序盤から持ち味である前へ出る守備が見られず。MF長谷部が「いい守備ができなかった。いいボールの取り方ができないといい攻撃ができない」と振り返ったように、いい形の攻撃につなげられなかった。それが影響して前半はシュートわずか1本。試合を通してもわずか4本のシュートしか放てなかった。
 守備でリズムを作れない浦和は名古屋にシュート12本を許した。無失点にこそ抑えたが、FWヨンセンのポストプレーや左サイドのMF渡邊のパスから決定的な場面を作られる場面も。相手のシュートミスなど拙攻に助けられたが、失点してもおかしくなかった。名古屋GK楢崎正剛(31)が「支配したのはうちの方だと思った。(守備面で自身が)危ないと思う場面が少なかったということはうちの方が支配していたということ。(2位の)ガンバ(大阪)の人たちが見てたら出て取りたかったと思う」と苦笑いを浮かべたほど危うい試合。それでも浦和は崩れなかった。主導権を失いかけても相手のミスを誘うなど、決定的な違いを作らせなかった。
 好内容でなくても勝ち点1を取ったことで優勝に向けて前進した。MF平川は「勝ち点1取れてよかった」と納得の表情を見せ、FW田中達は「ポジティブに受け止めたい」と語った。2位・G大阪との勝ち点差は7。次節(11月10日、11日)、浦和が勝ち、2位・G大阪が敗戦、並びに3位の鹿島が引き分け以下に終わると浦和の2連覇が決まる。それだけに大きな勝ち点1獲得だった。

(取材・文 吉田太郎)

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