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「これ抜き切ってやろうと…」対A代表DFに燃えた鹿島MF松村優太が今季初アシスト!

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[3.18 J1第5節 横浜FM 2-1 鹿島 日産ス]

 パリ五輪世代が誇る快速アタッカーが、A代表初招集で注目集まるセンターバックを切り裂いた。鹿島アントラーズMF松村優太は0-2で迎えた後半23分、右サイドでドリブルを仕掛けると、DF角田涼太朗を抜き去ってゴール前にクロスボールを供給。絶妙なタイミングで飛び込んできたFW鈴木優磨に見事に合わせ、一矢報いるゴールを演出した。

 途中出場から10分後、ボールを持った時から迷いはなかった。「前向きでボールを受けて、1対1のところだったので、僕のプレースタイル的に行くしかないだろうと頭の中で決まった」。対面でカバーリングに立っていたのは日本代表に初招集されたばかりの角田。16日にU-22日本代表選出を果たした松村の頭の中には、相手の地位までしっかりとインプットされていた。

「角田選手と対峙した時、最初はちょっとボールを触りながらゆっくり行って、その前に一回中に入っていたのでどっちに来るかわからなかったと思う。足を触ったタイミングでいい形でスピードに乗れたし、あと角田選手は今回A代表に入っているので、ボールが来た時に『あっ、角田選手だ』というのがちょっと頭の中にあって、これ抜き切ってやろうと。その気持ちも後押ししたと思う」。イメージどおりのプレーでA代表戦士に一泡吹かせてみせた。

 今月8日のルヴァン杯柏戦(△1-1)で今季初ゴールを記録し、この日はJ1リーグ戦でも初アシスト。これまで先発奪取には至っていないが、着実に結果を残し始めている。「ああいう形でのアシストはなかなか今までなかった。ルヴァンの得点といい、今回のアシストといい、自分の形で結果が少し出てきている」。スタメン奪取に向けて、継続してアピールしていく構えだ。

 またこの日はもう一つ、スタジアムを沸かせるビッグプレーがあった。投入直後の後半15分、鹿島のCKから横浜FMのカウンターがスタートすると、一度はFWエウベルに大きく抜け出されたものの、松村が数メートルは離れていたであろう位置から自慢のスピードで抜き返し、ノーファウルでピンチを防いでみせた。

「自分で言うのもなんですけど、他の選手だったらイエロー、レッド覚悟で止めるところだと思うけど、僕だったら間に合うと思った。冷静に相手がドリブルするコースを見極めながら、戻ったらなんとか間に合った。自分自身、冷静にできたと思う」。チームの勝利にはつながらなかったが、このプレーがなければもっと試合は一方的なものとなっていたはずだ。

 そんな松村は19日から、パリ五輪世代のU-22日本代表の一員として欧州遠征に参加する。

 昨年11月以来の活動へのあふれ出るモチベーションからか、この日はピッチ上同様の爆速っぷりでスタジアムを後にしていた松村。囲み取材対応は急遽オンラインとなったが、「五輪予選が今年あって来年には本戦。言っている間にすぐに来る。佳境に入ってきているので、メンバーに入るサバイバルが始まる。結果を残していくことがメンバー入りに近づいていくので、久々にやるメンバーばかりだけど、チームのことをやりながら自分の結果を求めていきたい」と力強く決意を語った。

(取材・文 竹内達也)
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