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元同僚のプレー見抜いた横浜FMマルコス、驚異のダービー4戦4発「みんなとお祝いできてよかった」

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横浜F・マリノスMFマルコス・ジュニオール(背番号10)

[4.8 J1第7節 横浜FM 5-0 横浜FC 日産ス]

 横浜FCとのリーグ戦では全4試合連続ゴール中。横浜F・マリノスのMFマルコス・ジュニオールがまたしてもダービーマッチでの強さを見せつけた。

 0-0で迎えた後半早々だった。かつて2019〜21年に共にプレーしたDF和田拓也に背後から近寄ると、高い位置でボール奪取。「一緒にプレーしたこともあるので、和田選手がボールを持ったら少し自分で運んだりするとわかっていた。後ろから様子を見てプレッシャーをかけていたら、ちょっと持ち出したところをうまく突くことができた」。素早くFWアンデルソン・ロペスとの連係でゴール前に侵入し、最後は冷静にGKとの1対1を制した。

 得点後には真っ先にゴール裏のサポーターの元へ走り寄り、壇上に登って深々と礼。おなじみのかめはめ波パフォーマンスもA・ロペスとともに披露した。「今日だけじゃなく長いことずっとサポーターの皆さんが応援してくれているのをすごく感じていた。実は試合前からゴールを決めたらサポーターの前に上がって、みんなと祝えるようにしたいと思っていた。幸いゴールを決めることができて、自分が考えていたようにみんなとお祝いできてよかった」。自身のゴールにより、試合前からイメージしていたとおりの光景を演出してみせた。

 何よりマルコスにとって、J1リーグ戦では2021年11月6日の第35節FC東京戦(◯8-0)以来約1年半ぶりの得点。昨季はFW西村拓真の台頭で出場機会が激減し、苦しい1年間を過ごしていた。それでも「そういう中でも自分がやるべきことは積み上げてきたつもり」と胸を張ったマルコスは、苦境の中でも横浜FM残留を決断した背景についても口を開いた。

「自分にとってはチャレンジだと思っている。人によっては外に行くのもチャレンジだし、自分にとってはマリノスで続けてやるのがチャレンジ。自分にとっては好きなクラブでやってきているので、簡単ではないけどチャレンジと捉えて、なんとかこのチームでプレーしたい思いで続けてきている。前にも言ったことがあるけど、自分としてはこのクラブで、最後まで、辞める時までここでやっていきたいと思っている」

 そんな思いがこの日は報われた。ダービーでの強さについては「偶然だと思う」と話したマルコスだったが、「ダービーは歴史に残る試合だと思う。その試合自体の結果が歴史に残っていくので、その試合になるとより勝ちたい、より頑張る気持ちが出る。他の試合もそうだけど、特に力が出るのかなと思っている」とモチベーションは人一倍だった。この日、ゴール裏のサポーターからは「完全制覇=全タイトル+ダービー全勝」という横断幕も出されていたが、その活躍はダービーの歴史だけでなく、彼らの記憶にも刻まれたはずだ。

 それでもマルコスは試合後、すでに前を向いていた。「まだまだ始まったばかり。先が長いのでもっともっとゴールを量産できればという気持ちでやっています」。すでに今季の得点数で昨季を上回ったものの、背番号10にとっては通過点。2019年のJリーグ得点王が復活への道のりを歩み始めた。

(取材・文 竹内達也)
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