beacon

7年連続の国内無冠に鹿島FW鈴木優磨「本当にまずいなと」柴崎岳「地道な作業になる」

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW鈴木優磨

[10.21 J1第30節 神戸 3-1 鹿島 国立]

 鹿島アントラーズは21日、首位のヴィッセル神戸に1-3で敗れ、4試合を残して今季のJ1リーグ優勝の可能性が消滅した。すでにルヴァン杯は準々決勝、天皇杯は3回戦で敗退しており、2017年から7年間連続での国内無冠が決まった。

 試合後、FW鈴木優磨は「僕自身、重く受け止めている」とコメント。昨季開幕前に欧州挑戦から復帰したが、2年連続でタイトルに届かず、「僕もタイトルを掲げて帰ってきたけど、なかなかそれができないし、自分自身への苛つきもある。こればかりは簡単に積み上がるものではない。それと同時に本当にまずいなという危機感を覚えている」と沈痛な表情で語った。

 鹿島は前々節で2位の横浜FMにも敗れており、優勝を争う上位との大一番を2試合続けて落とした形。近年はカップ戦での上位進出実績も少なく、伝統的に勝負強さを見せ続けてきた“鹿島らしさ”は陰を潜めている。

 鈴木はこうした現状について「いまはカップ戦は別として、長いリーグ戦を勝ち取る上では間違いなくスタイルがないと勝ち続けることはできない」と分析する。「そのスタイルが何なのかを僕自身、模索しているし、チームとしてのバランスは考えさせられる」と迷いを浮かべつつも、首位を走る神戸との差を「彼らが今シーズンやってきたものを相手がどこだろうとそのまま出してきて、そのレベル、完成度が高かった」点に見出した。

 今夏、欧州挑戦から復帰したMF柴崎岳は次のように鹿島の現状を見つめた。

「時代も変わって、良い戦力が揃っているからと言って優勝できるモノでもないし、個々の能力が劣っていても優勝争いできる時代に来ている。そういう時代の中でも鹿島アントラーズはタイトルを目指しているクラブだというのは変わっていないので、なかなか苦しんでいると思う。ここ数年を見てもそういったところに手が届かないのが事実としてある」

 そうした苦境から脱するためには何が必要なのか。柴崎は「小さな日常からの積み重ねでしか変えられない。こういったところで何か大きく発言したり、何かチームとして大きく掲げたからと劇的に変わるものでもない。地道な作業になるのかなと思う」と冷静に分析する。その上で来季に向けて「自分にできることをしたいと思っているし、そのために今年の夏に帰ってきたので、本当にやるしかないと思っています」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2023シーズンJリーグ特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

TOP